家庭用エアコンに迫る「2027年問題」をご存じでしょうか。省エネの基準が2027年4月から厳しくなるため、普及モデルの価格が数万円ほど上昇する見通しとなっています。この問題を踏まえ、今のうちに買い替えた方が得なのかどうか、量販店やメーカーに事情を取材し、家電に詳しい専門家にポイントを聞きました。
エアコン売り場の現状
2026年4月下旬、東京都千代田区のビックカメラ有楽町店のエアコン売り場には、開店直後から買い替えを検討する客が次々と訪れていました。売り場の壁には、「お得なエアコンが製造終了!? 検討はお早めに」と大きな文字で貼り紙が掲示されています。ゴールデンウィークには早くも商戦のピークを迎える見込みです。
東京都内に住む会社員の男性(49)は、寝室用に低価格帯のモデルを購入しました。現在使っているエアコンは故障していないものの、「2027年問題で低価格モデルは駆け込みでも買えなくなりそうなので、今が替え時だと思った」と話しました。
売り上げ動向
ビックカメラによると、今年のエアコンは出足が早く、1~3月の売り上げは前年同期比で約1.5倍に伸びています。業界団体の統計では、猛暑の影響もあり近年はエアコンの出荷台数が拡大傾向にあります。
エアコンの価格帯と省エネ基準
エアコンは大きく三つの価格帯に分かれます。出力によっても異なりますが、平均的には以下の通りです。
- ハイグレードモデル:25万円以上。省エネ性能も高く、高機能。
- ミドルモデル:11万円前後。自動掃除機能と省エネ性能のバランスが取れている。
- エントリーモデル:6万円ほど。機能や省エネ性能を最低限に抑え、販売価格を抑えたモデル。
国の2027年4月からの新たな省エネ基準では、家庭用エアコンの場合、現行基準と比較して出力に応じておおよそ14~35%のエネルギー効率の改善が求められます。メーカーは出荷する製品全体で基準を満たす必要があります。
メーカーの対応と今後の見通し
エアコンメーカー各社は、新基準に対応するため製品開発を進めています。省エネ性能が低いエントリーモデルは製造終了となる可能性が高く、今後はミドルモデル以上の製品が主流になると見られます。これにより、低価格帯の選択肢が減り、平均価格が上昇することが予想されます。
専門家のアドバイス
家電に詳しい専門家は、慌てて買い替える必要はないと指摘します。本体価格が上がっても、省エネ性能が向上すればランニングコストが下がるため、長期的にはトータルコストが抑えられる可能性があります。また、現在のエアコンが故障していない場合は、無理に買い替える必要はなく、新基準施行後の製品を検討するのも一つの選択肢です。
ただし、エントリーモデルを希望する場合は、在庫がなくなる前に購入を検討した方が良いでしょう。ビックカメラでは、2026年のゴールデンウィークが商戦のピークと見ており、早期の検討を呼びかけています。
まとめ
エアコンの「2027年問題」は、省エネ基準の厳格化に伴う価格上昇が懸念されています。買い替えを検討する際は、現在のエアコンの状態や使用頻度、将来のランニングコストを考慮し、自分に合ったモデルを選ぶことが重要です。量販店やメーカーの情報を参考に、計画的に行動しましょう。



