福島復興15年、移住定住に住宅不足の壁 双葉町で「国の見通し甘過ぎた」と指摘
福島復興15年、移住定住に住宅不足の壁 双葉町で指摘 (16.02.2026)

福島復興15年、移住定住に住宅不足の壁 双葉町で「国の見通し甘過ぎた」と指摘

東日本大震災と原発事故から15年を迎える福島県双葉町において、移住・定住の促進が住宅不足という深刻な課題に直面している。復興の歩みに陰りが見え始める中、関係者からは国の計画に対する厳しい見方が示されている。

移住決意も住宅確保できず

双葉町の復興を支えるために移住を決意したものの、町内に居を構えられないという現実が浮き彫りになっている。まちづくり団体「ふたばプロジェクト」の事務局次長を務める土屋省吾氏(60歳)は、自らも住宅不足に直面した経験を持つ。同氏は復興業務に従事しながら、住居の確保に苦労する日々を送ってきたという。

「国の見通しが甘過ぎた」と土屋氏は指摘する。震災・原発事故からの復興計画において、移住・定住の促進は重要な柱の一つと位置付けられてきた。しかし、実際の住宅供給が需要に追いつかず、新たな住民の受け入れ体制が整っていない実態が明らかになった。

復興15年目の課題

福島県全体では、震災・原発事故から15年を機に様々な復興検証が進められている。移住・定住に関する第3部の検証では、以下のような点が課題として挙げられている。

  • 住宅建設の遅れによる定住環境の未整備
  • 国の人口見通しと実際の移住動向の乖離
  • インフラ整備と住宅供給のバランスの悪さ
  • 長期的なコミュニティ形成への影響

双葉町では、避難指示の解除後、町の再生に向けた取り組みが進められてきた。しかし、住宅不足が解消されない限り、移住者の定着は難しい状況が続いている。土屋氏は「移住を希望する人々の意欲を無駄にしないためにも、早急な対策が必要だ」と訴える。

今後の展望と課題

復興庁や福島県は、住宅不足解消に向けた対策を強化する方針を示している。具体的には、公営住宅の増設や民間住宅建設への支援拡大などが検討されている。しかし、財政面や建設人材の確保など、実現には多くのハードルが存在する。

地域関係者からは、単なる住宅供給だけでなく、学校や医療機関、商業施設などの生活インフラの整備も同時に進める必要性が指摘されている。移住者が安心して暮らせる環境づくりが、福島の真の復興につながるとの認識が広がっている。

震災・原発事故から15年という節目を迎え、福島の復興は新たな段階に入ろうとしている。住宅不足という現実的な課題を克服し、持続可能な地域社会を築くことが、今後ますます重要となるだろう。