中国人観光客2人踏切死亡事故、遺族の賠償請求に山陽電鉄が争う姿勢示す
訪日客踏切死亡事故、山陽電鉄が賠償請求に争う意向

中国人観光客2人の踏切死亡事故、遺族の賠償請求訴訟が始まる

神戸市垂水区の踏切で2025年1月、中国人観光客の女性2人が山陽電鉄の電車にはねられて死亡した事故をめぐり、遺族が同社と運転士に計1億3900万円の損害賠償を求めた訴訟の第1回口頭弁論が2026年2月27日、神戸地裁で開かれた。山陽電鉄側はこの日の法廷で、争う意向を明確に示した。

事故の経緯と遺族側の主張

事故は2025年1月9日に発生。死亡した2人は踏切内のJR西日本と山陽電鉄の計4本の線路を北側から歩いて通過した後、南側の遮断機の内側で山陽電鉄の電車にはねられた。進行方向にあった国道2号の信号待ちをしていたとみられる状況だった。

遺族側は訴状で、信号待ちの本来の待機場所とされた遮断機と国道の間は当時、約1.25メートルと非常に狭く、急勾配だったため、2人が遮断機の内側を待機場所と勘違いした可能性が高いと指摘。「山陽電鉄は危険性を十分認識しながらも、事故の防止策を怠った」と強く主張している。

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さらに、遺族側代理人弁護士はこの日の意見陳述で、「遺族は想像しうる最大の苦しみを受けている」とする書面を代読し、悲しみの深さを訴えた。

山陽電鉄側の反論と主張

一方、山陽電鉄側は答弁書で、待機場所の形状を踏まえても待機に支障はなく、「事故の発生につながったとは全く考えられない」と反論。踏切には遮断機や警報機など必要な保安設備が適切に設けられており、運転士も2人の姿を確認後すぐにブレーキをかけたなどとして、「注意義務違反は一切なかった」と主張した。

さらに同社は、2人が警報音が鳴り始めて遮断機が下りた後もスマートフォンで付近を撮影し続けていた事実を指摘。「被害者側の落ち度は非常に重大である」と述べ、責任の所在を明確に争う姿勢を示した。

事故現場の安全対策工事が完了

この事故を受けて、現場の踏切では待機場所を拡張し、緩やかなスロープを新設する安全対策工事が実施され、2026年2月に完了している。工事後は踏切の手前にあった斜面が水平に整えられ、車道と平行にスロープが設置された。

この訴訟は、訪日観光客の安全確保と鉄道事業者の責任の範囲を問う重要なケースとして注目を集めており、今後の審理の行方が注目される。

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