川崎市バス燃料費倍増、6億円の追加補正予算案
中東情勢の影響による原油価格の高騰が長期化する見通しの中、川崎市は2026年5月25日、市バスの燃料費を当初予算の2倍以上に増やす企業会計補正予算案を発表しました。燃料高騰に伴うバス事業の補正予算編成は、過去20年で例がなく、市財政局の担当者は「倍以上になるのは、正直言って天変地異だ」と困惑を隠せません。
福田市長「これだけの額で万全を期す」
福田紀彦市長は同日の記者会見で、「いったんは落ち着きを見せているが、燃料費の高騰が続いている。先行き不透明なので、これだけの額を補正して万全を期している」と説明しました。運賃値上げの可能性については、「燃料費だけでなく、総合的に判断する」と述べるにとどめました。
入札不調で単価が倍近くに
市では3月に実施したバス用軽油の一般競争入札で、全業者の入札額が予定価格を上回り不調となりました。調達期間を短縮して再入札した結果、単価は前回落札時の倍近い1リットル当たり199円に跳ね上がりました。市は3月の新年度当初予算で市バスの燃料費を約4億9000万円と見込んでいましたが、入札結果を受け、6月定例市議会に提案する補正予算案で約6億円を追加計上することとし、燃料費総額は当初の約2.2倍となります。
市交通局「安定運行のため必要額を計上」
市交通局は取材に対し、「年間を通した安定的な市バスの運行を図るため、現時点で確実な調達が可能な金額を計上した」と説明しています。バス事業は当初予算の時点で赤字を見込んでいましたが、さらに赤字幅が拡大する見通しです。
6政令市が国に財政支援を要請
川崎市を含む6政令市(川崎、横浜、名古屋など)は3月末、国に緊急要請を行い、「軽油の入札不調など深刻な状況。運行が滞れば、市民生活に支障が生じるだけでなく、国全体に大きな不安を与える」として財政支援を求めました。
都営バスも軽油入札に苦心
東京都交通局によると、都営バスでも3月に実施した4~6月分の燃料軽油の入札が不調となりました。担当者は「中東情勢の影響もあり、設定していた購入予定価格よりも燃料費が高騰し、折り合わなかった」と述べています。業者からは「3カ月先の状況が見通せない」との声もあり、4~6月分については1カ月ごとの随意契約に切り替えました。
過去に例のない全グループ不調
都では都営バス19営業所を4グループに分け、四半期ごとに軽油を調達しています。1グループ当たり3カ月分で約1000~2000キロリットルを確保していますが、担当者は全てのグループで不調となったのは「過去に聞いたことがない」と話します。予算の積み増しについては、別の担当者が「年度が始まったばかりなので、今後の状況を注視している」と述べています。



