大分市の一般道で令和3年に発生した死亡事故を巡り、時速194キロの乗用車が右折車と衝突した事件で、自動車運転処罰法違反(危険運転致死)罪の成立要件である「制御困難な高速度」と「妨害目的」を認めなかった今年2月の福岡高裁判決は判例違反に当たるとして、検察側が近く上告趣意書を最高裁判所に提出することが25日、遺族側への取材で明らかになった。
遺族側は福岡高検で、28日が提出期限の趣意書に関して説明を受けた後、報道陣の取材に応じた。死亡した小柳憲さん=当時(50)=の姉長文恵さん(60)は、趣意書の内容について「これ以上ないつくりだった」と述べ、検察側の対応を評価した。
二審判決は、危険運転致死罪を認めて懲役8年とした一審大分地裁の裁判員裁判判決を破棄し、同法違反の過失致死罪を適用して被告の男(25)に懲役4年6月を言い渡していた。
この判決に対し、遺族は「危険運転が認められず納得できない」として、検察側の上告を強く求めてきた。今回の上告趣意書提出により、最高裁での審理が行われる見通しとなった。
事故は令和3年、大分市内の一般道で発生。被告の男は時速約194キロで乗用車を運転中、右折してきた車と衝突し、相手の男性を死亡させた。一審では危険運転致死罪が成立すると判断されたが、二審では「制御困難な高速度」や「妨害目的」の立証が不十分として過失致死罪を適用した。
検察側は、二審判決が最高裁判例に反すると主張。特に、速度の程度や道路状況などから「制御困難」と評価できる点を強調し、判例違反を指摘している。
遺族の長さんは「裁判所が正しい判断をしてくれることを信じている。最高裁でしっかりと審理してほしい」と話した。



