SNSに「盛らない日常」投稿 相次ぐ不祥事、背景に「気軽さ」の危険性
SNSに「盛らない日常」投稿 相次ぐ不祥事、背景に気軽さ

SNSに「盛らない」日常を投稿する行為が、企業や組織に深刻な問題を引き起こしている。社外秘の書類や顧客情報を無意識に公開してしまうケースが相次ぎ、謝罪に追い込まれる事態が各地で発生している。なぜこのような問題が繰り返されるのか、背景にはSNSの「気軽さ」と利用者の意識のずれがあるようだ。

西日本シティ銀行の事例

2026年4月30日、西日本シティ銀行(福岡市)はホームページ上で「お詫びとお知らせ」を掲載し、謝罪した。同行によると、当時下関支店に所属していた行員が、執務室内を撮影した画像をSNSアプリ「BeReal(ビーリアル)」に投稿。そこには顧客7人の氏名が記載されたホワイトボードが映っていた。同行では執務室内での撮影を禁止していたという。

「BeReal」は、スマートフォンの正面と背面のカメラで同時に撮影した画像を投稿するアプリで、利用者には1日1回、不特定の時間に通知が届き、2分以内に撮影・投稿するよう促される。「盛らない」リアルな日常を共有できるとして若者に人気を集めている。投稿は一定時間が経過すると自動的に消える仕組みだが、今回の投稿は情報を受け取った第三者によって転載され、X(旧ツイッター)で拡散。中には30日午後1時時点で1000万回以上閲覧されたものもある。同行は「個人情報の対象の方には個別にお詫びと説明をする」としている。

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仙台市の小学校教諭のケース

同様のトラブルは他でも起きている。仙台市では、4月20日夜、太白区内の市立小学校に勤める20代女性教諭が、職員同士の資料共有システムの画面が表示されたパソコンをスマホで撮影し、BeRealに投稿。画面には学校名と同僚の男性教諭1人の名前が写っていた。教諭は親しい友人だけが見られる設定にしていたが、情報が拡散された可能性がある。

専門家の指摘

慶応義塾大学教授の津田正太郎氏は、大学の授業でソーシャルメディアに関するアンケートを取ると、BeRealを挙げる学生が一定数いると指摘する。その上で、「SNSは誰もが見ることのできる公共の場だが、気軽さから私的な場に近い感覚で情報を発信する人も少なくない。公と私の感覚のズレを認識するのは難しく、類似の事例は今後ますます増えるだろう」と警鐘を鳴らす。

背景にある意識の違い

BeRealは「盛らない」リアルな日常を重視する点で、従来の映え重視のSNSとは一線を画す。しかし、その気軽さゆえに、職場の機密情報や個人情報が含まれていることに気づかずに投稿してしまうケースが後を絶たない。企業や組織は、SNS利用に関するガイドラインを徹底するとともに、従業員の意識向上を図る必要がある。

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