KDDIは12日、傘下の企業2社において発覚した不正取引に関連し、総額352億円の損失を計上したと正式に発表した。この不正取引は、2018年8月から2025年12月までの長期間にわたり、両社が広告代理事業において循環取引を継続していたことが明らかになったものだ。
不正取引の詳細と影響
循環取引とは、実際の商取引がないにもかかわらず、架空の売買を繰り返して売上高を水増しする不正行為である。今回のケースでは、KDDIの傘下企業がこの手法を用いて取引を装い、その結果として多額の損失が発生した。すでに過去の決算については修正が行われており、財務諸表の信頼性回復に向けた作業が進められている。
外部流出額と回収策
不正取引の過程で、手数料として外部に329億円が流出したことが判明している。KDDIはこの資金を回収するため、民事訴訟を提起し、現在も法的手続きを進めている。同社は、関係先との交渉や法的措置を通じて、可能な限りの資金回収を目指す方針だ。
2026年3月期連結決算の概要
同時に発表された2026年3月期の連結決算では、売上高が前期比4.1%増の6兆719億円、純利益が7.9%増の7071億円と、増収増益を達成した。この好調な業績の背景には、通信料金の値上げを実施しながらも、顧客数を拡大できたことが大きく寄与している。
- 売上高:6兆719億円(前期比4.1%増)
- 純利益:7071億円(前期比7.9%増)
- 顧客数:通信料金値上げにもかかわらず拡大
KDDIは、不正取引の影響を最小限に抑えつつ、今後の事業運営においてコンプライアンスの徹底を図るとしている。



