佐賀県警DNA型鑑定不正、130件から239件に拡大 警察庁特別監察
佐賀県警DNA鑑定不正、239件に 警察庁監察

警察庁は4日、佐賀県警科学捜査研究所の元技術職員(懲戒免職)がDNA型鑑定で不正を繰り返した問題に関する特別監察の結果を公表した。県警の調査で130件とされていた不適切な鑑定は、新たに110件が認定され、計239件に膨らんだ。これは元職員が扱ったDNA型鑑定全体の約4割に相当する。

特別監察の経緯と結果

特別監察は2025年10月8日に開始され、元主査の冨永剛弘被告(43)=証拠隠滅罪などで起訴=が2015年以降に単独で行ったDNA型鑑定632件と他の鑑定11件の全643件を対象に、職員への聞き取りや書類・データの確認を通じて徹底調査した。

その結果、県警が2025年9月に発表した130件の不適切鑑定に加え、新たに110件が認定された。ただし、130件のうち1件が除外されたため、合計は239件となった。不正の開始時期も、県警調査の2017年6月から2016年8月に早まり、2024年10月に県警が把握するまで約8年間継続。さらに県警把握後も元職員に業務をさせていたため、不正は2025年2月まで続いたとされる。

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不正の内容と影響

不正は窃盗や薬物犯罪、不同意わいせつなど多様な事件に関する鑑定で、実際は行っていない鑑定を実施したと装ったり、書類に虚偽の内容を記載したりする手口だった。

239件について捜査や公判への影響を確認した結果、冤罪につながるケースはなかったものの、計37件は「影響が不明」とされた。内訳は捜査中の事件27件、時効が成立した事件10件で、正しく鑑定していれば容疑者を特定できた可能性があるかなど、捜査への支障の有無が判明しなかった。

報告書の指摘と今後の処分

報告書は「県警による調査結果に不十分な点があった」と指摘。警察庁と県警は、調査の指揮などの責任を問い、県警の福田英之本部長と幹部らを処分する方針だ。

特別監察は、都道府県警の重大な不祥事などを受け警察庁が必要と判断した場合に実施される。今回の事態を受け、DNA型鑑定の信頼性回復と再発防止策の徹底が求められる。

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