広島県尾道市御調町の市民団体「御調地方歴史文化研究会」が、かつて「オノテツ」の愛称で親しまれた尾道鉄道の資料をまとめた図録「オノテツ アーカイブ 御調2025」を制作した。同会は「忘れ去られようとしている地域の歴史が記録として後世に伝われば」と期待を寄せている。
オノテツの歴史
尾道鉄道は、山陽と山陰を結ぶ鉄道敷設構想に基づき、地元の政財界人が発起人となって1925年に西尾道駅(尾道市天満町)から石畦駅(同市木ノ庄町)までが開通。その後、33年には尾道駅と接続し、市駅(同市御調町)までの17.1キロが全通した。最盛期の1945年には年間208万人を運んだが、路線バスの普及で利用が低迷し、64年に廃止された。
図録の内容
図録はB5判、オールカラーの113ページ。当時の写真や運転士の制服、車掌の腕章、時刻表、切符などを豊富に掲載。トンネルや鉄橋の遺構、車両データも収録する。また、展覧会で新たに寄せられた資料として、ほうろう製の行き先表示板「三成―尾道」「石畦―尾道」も紹介され、往時の雰囲気を伝えている。
同会の住貞義量会長(79)は幼少期に年に数回オノテツを利用した経験を持つ。「乗った経験のある人は高齢化で年々少なくなっている。山陰に鉄道を通そうとした当時の人々のエネルギーを知ってほしい」と話す。
販売情報
図録は税込み2200円で、御調町の道の駅「クロスロードみつぎ」や県東部の「啓文社」などで販売中。問い合わせは住貞会長(メール=sumitei22722@gmail.com)へ。



