八代市新庁舎汚職:職員の内部告発届かず、市議を収賄罪で起訴
八代市新庁舎汚職:職員の内部告発届かず、市議起訴

熊本県八代市の新庁舎建設工事をめぐり、特定の建設業者に便宜を図るよう市に働きかけて6000万円を受け取ったとして、市議の成松由紀夫容疑者(54)があっせん収賄容疑で逮捕され、28日に起訴された。捜査関係者によると、前田建設工業(東京)側が入札で有利となる評価基準案が使われた疑いがあるという。

職員の内部告発

市議が逮捕される前、内部で異変を察知し声を上げた市職員がいた。入札の評価基準や相次ぐ設計変更などに疑問を抱き、上司に訴えた。内部通報窓口にも相談した。それでも、手続きは止まらなかった。

百条委員会での証言

市議会が設置した百条委員会での3人の証言や取材をもとに、内部で何が起きていたのかをたどる。新庁舎建設工事の入札公告を控えた2019年7月、新庁舎の入札公告に携わる部署にいた40代の女性職員は、上司から紙を手渡された。記されていたのは、価格だけでなく技術力や実績なども点数化して業者を選ぶ「総合評価方式」の評価基準案だった。上司からは「これは天の声によるものだ。一言一句変更することなく事務を行うように」と指示されたという。

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評価基準の疑惑

総合評価方式では、評価項目の設定が業者選定に大きな影響を与える。特定業者に有利な基準が設定された可能性が指摘されている。職員は違和感を覚え、上司に質問したが、明確な回答は得られなかった。内部通報窓口にも相談したが、調査が行われることはなかった。

逮捕に至る経緯

成松容疑者は、前田建設工業から6000万円の賄賂を受け取った疑いが持たれている。逮捕前、市議は2000万円を抱えて東京へ向かい、深夜のコンビニで40回にわたり入金を行っていたとされる。捜査当局は、これらの資金が不正な便宜供与の対価とみている。

市政への影響

この事件を受け、八代市長は検証組織の設置を表明した。一方、成松容疑者は「不当逮捕だ」と主張し、勾留理由開示を請求している。新庁舎建設工事は一時中断され、今後の行方が注目される。

職員が「普通じゃないことをやっている」と感じたこの事件は、公共工事における透明性の欠如や内部通報制度の機能不全を浮き彫りにした。再発防止に向けた抜本的な改革が求められる。

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