安倍晋三元首相銃撃事件で、無期懲役の判決を受けた山上徹也被告(45)の控訴審に向け、弁護団が再編成されたことが、関係者への取材で明らかになった。新たに、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の問題を追及してきた弁護士が加わり、被告の生い立ちが事件に与えた影響について、より踏み込んだ主張を展開する見通しだ。
一審判決後、弁護団に変更
一審の奈良地裁では、奈良の弁護士4人が国選弁護人を務めていた。しかし、検察の求刑通り無期懲役とした今年1月の判決後、1人が外れ、代わりに大阪の勝俣彰仁弁護士が加わった。
勝俣弁護士は、教団の被害対策に取り組む全国霊感商法対策弁護士連絡会(全国弁連)のメンバーである。関係者によると、一審で十分に追及できなかった教団と事件の関係を主張する上で、刑事弁護にも精通した勝俣弁護士が適任と判断されたという。
争点となる被告の生い立ち
事件では、山上被告の母親が教団に1億円以上の献金をしたことや、家庭内の不和、教団に反発した兄の自殺といった境遇をどのように考慮するかが大きな争点となっている。
一審で弁護側は、安倍氏が教団の友好団体にメッセージを送っていたことも踏まえ、重くても懲役20年が妥当だと主張した。判決は、生い立ちに「不遇な側面」があるとしつつ、教団幹部への殺意を安倍氏に向けたのは「大きな飛躍」だと指摘した。
新弁護団の戦略
新たな弁護団は、生い立ちが事件に与えた影響についてより詳しい分析を行う方針で、今後、控訴趣意書を大阪高裁に提出する。高裁はその内容をもとに、控訴審の審理計画を決定する。
山上被告は、2022年7月、奈良市で安倍元首相を銃撃し、殺害した罪などで起訴された。一審は今年1月、無期懲役の判決を言い渡し、弁護側は即日控訴していた。



