再審制度を見直す刑事訴訟法改正案について、自民党法務部会のメンバーである井出庸生衆院議員(長野3区)は15日、本紙の取材に応じ、検察官抗告の原則禁止を本則に盛り込んだことを評価する一方、証拠の目的外使用禁止を残した点などに「悔しい思いがある」と語った。
検察官抗告の全面禁止は見送り
井出氏によると、法務部会と司法制度調査会の合同会議では、発言者の大半が抗告禁止の立場だったという。「法務省は微動だにしない状況だった。多数の呼応は非常に大きかった」と振り返った。超党派の国会議員連盟の事務局長も務める井出氏は、議連が検察抗告の全面禁止を訴えてきた経緯を踏まえ、19日に開く議連総会では「厳しい意見を受けた上で、証拠の目的外使用などの重要な論点を与野党を超えて共有したい」と述べた。
新たな証拠開示制度への期待
政府案に盛り込まれた再審請求審での新たな証拠開示制度について、井出氏は「裁判所は開示を命令する義務が生じるため、これまで以上に開示される証拠が限定されることはないのではないか」と評価し、「冤罪を明らかにする実務に期待する」と話した。
国会審議での論点
一方、国会審議では「証拠の目的外使用」が論点になると指摘。「(法務省はこれまで)悪質な意図を持ったものでなければ、罰則は適用しないと答弁している。再審決定が出るような事件の証拠は、公にする余地を残すべきだ」と語った。
また、前川彰司さんが再審で無罪となった1986年の福井市女子中学生殺人事件に関し、「無罪の証拠となる捜査報告書を検察は把握しながら通常審でも再審でも長年出してこなかった。あってはならないことで、名古屋高検はしっかり検証をしてほしい」と求めた。



