政府は15日、刑事裁判の再審制度に関する刑事訴訟法改正案を閣議決定し、衆院に提出した。自民党の要求を受け、当初案では維持されていた再審開始決定に対する検察官の不服申し立て(抗告)を原則禁止とする方針に転換した。1948年の刑訴法制定以来、再審規定の改正は初めてとなる。
法案修正の経緯
法制審議会の答申に基づく当初案は、自民党の事前審査で批判が相次ぎ、特に検察官抗告を巡って3回の修正を経た。このため閣議決定は政府の想定より1カ月以上遅れた。
主な改正内容
- 再審開始決定に対する検察官の抗告を原則禁止。例外として「開始決定が取り消されるべきと認める十分な根拠がある場合」に限り認め、抗告理由の公表を義務付ける。
- 証拠開示について、裁判所が請求理由との関連性や必要性を認めた証拠の開示を義務化。再審手続き以外の目的で第三者に証拠を示すことを罰則付きで禁止。
- 再審請求の要件に該当しないことが明らかな請求を迅速に却下するスクリーニング規定を新設。
背景と今後の課題
現行刑訴法の再審規定は手続きの詳細が不十分で、静岡県一家4人殺害事件では袴田巌さんの再審無罪確定まで43年を要し、制度の不備が指摘されていた。改正案の付則では、施行後5年ごとに制度の在り方を検討し、必要に応じて見直すとしている。



