再審制度見直し法案「満足できぬ」でも希望を…再審無罪の前川さん
再審制度見直しのための刑事訴訟法改正案が15日、閣議決定された。冤罪被害者の早期救済が叫ばれる中で始まった改正論議。だが、福井市で1986年に起きた女子中学生殺害事件(福井事件)で服役後、昨夏に再審無罪となった前川彰司さん(61)は、法案の中身を「満足できない」と語る。
「希望は、持ちたい」
「開かずの扉」といわれる再審が、この改正案で開かれやすくなると思うかと問うと、前川さんは長い沈黙の後にそう答えた。前川さんは事件から1年後、殺人容疑で福井県警に逮捕された。名古屋高裁金沢支部の懲役7年の判決が確定し、服役。出所後の2004年に再審請求をし、11年に再審開始決定を得た。だが、検察の不服申し立てで取り消され、2度目の再審請求を経て、再審無罪が確定したのは25年8月だった。
検察の抗告をめぐる規定
今年3月に始まった自民党の事前審査で、特に議論が紛糾したのが、前川さんも苦しんだ検察の不服申し立て(抗告)をめぐる規定だった。「原則禁止」か「全面禁止」か。結論は、要件を厳格化するという原則禁止。前川さんは「本意ではない。検察官の判断次第で抗告があり得る。救済になったようで、なっていない」と訴える。
加えて、検察の抗告以外の論点も多く残る。再審請求手続きの透明性や証拠開示の拡充など、冤罪被害者の救済にはまだ不十分な点があると指摘されている。
前川さんは「奪われた時間は戻らないが、この改正が次の冤罪被害者を減らす一歩になってほしい」と語り、今後の国会審議での修正に期待を寄せた。



