自民党は15日、自国の国旗を傷つける行為を法律で禁じる「国旗損壊罪」創設に向けたプロジェクトチーム(PT)の会合を開催し、法案の骨子案を提示した。しかし、処罰対象や罰則の内容について慎重な意見が相次ぎ、了承は次回に持ち越された。自民党は今国会での成立を目指し、骨子案を修正した上でとりまとめを進める方針だ。
骨子案の概要
骨子案では、立法の目的を「国旗を大切に思う一般的な国民の感情を保護する」ことと明記。国内でも国旗を損壊する行為が確認されているとし、「事案の発生を将来に向かって抑止する」必要性を強調した。具体的な損壊事例として、1987年の沖縄国体会場で日の丸を降ろして焼き、器物損壊罪などに問われた事件など2件を挙げている。
処罰対象と罰則
処罰対象については、憲法が保障する表現の自由を不当に制約しないよう、侮辱目的の有無といった主観的要素を排除し、外形的・客観的に判断する方針。具体的には、国旗を「人に著しく不快または嫌悪の情を催させるような方法」で損壊する行為と規定。路上などで公然と損壊、除去、汚損する行為に加え、SNSへの投稿を念頭に、自ら損壊する状況を撮影した動画や画像を不特定多数の人が閲覧可能な状態にする行為も対象とした。
罰則については、刑法の外国国旗損壊罪などを参考に検討が進められているが、具体的な刑罰の内容は骨子案では示されず、今後の議論で詰められる見通しだ。
慎重意見と今後の見通し
会合では、PT座長の松野博一元官房長官が「丁寧に議論を重ねたい」と述べた一方、岩屋毅氏などからは「過剰な規制は表現の自由を萎縮させる」との慎重論が相次いだ。刑法学者からも「感情保護を目的とした刑罰は慎重であるべき」との警告が上がっている。自民党は、慎重意見を踏まえて骨子案を修正し、早期のとりまとめを目指す。高市政権の下で、国旗損壊罪の創設は与党内で重要な立法課題の一つと位置づけられている。



