東京大学の男子学生が、授業料値上げに抗議するために安田講堂に立ち入ったことを理由に停学処分を受けたのは違法で無効だとして、同大学を相手取り約95万円の損害賠償などを求める訴訟を東京地方裁判所に提起したことが明らかになった。学生は14日、東京都内で記者会見し、この事実を公表した。
提訴の経緯と学生の主張
訴えを起こしたのは、東大農学部4年の八十島士希さん(27)。訴状によると、八十島さんは2024年6月、授業料値上げの撤回を求める要望書を学長に直接手渡そうと、警備員の制止を振り切って安田講堂内に立ち入り、数分後に退去した。この行為について、東大は「教職員の業務を暴力などの不当な手段で妨害する行為」に該当するとして、2025年11月に停学2カ月の懲戒処分を下した。
原告側は、この処分について、行為の危険性を過大に評価しており、憲法が保障する大学の自治や学問の自由を侵害するものだと主張。さらに、1969年の安田講堂事件など過去の学生運動においても、同様の行為で処分された例はなく、「平等原則に反し、処分権限の乱用だ」と訴えている。
授業料値上げの背景
東京大学は、昨年春に入学した学生から年間授業料を約2割引き上げた。これは20年ぶりの値上げであり、学生や教授らの間で反発が広がっていた。今回の訴訟は、こうした値上げに対する抗議行動の一環として注目されている。



