京都大吉田寮「現棟」の建て替え方針を巡り、京都大学の教員ら有志が14日、方針撤回や寮生との協議を求める声明文を大学側に提出した。声明文は、築110年を超える現棟を「歴史を刻んだ貴重な文化財」と位置づけ、取り壊しが行われれば「京大の知性の欠如として後世まで語り継がれる」と強い危機感を示した。
声明の内容と背景
大学は先月、現棟について「建築物としての歴史的経緯に配慮しつつ建て替える」との方針を公表した。声明文は、教員と元教員計22人が賛同し、寮生らと協議せずに方針を決めたプロセスを問題視。現棟の歴史的価値については「学内外の建築専門家の意見も広範に聴取し、保存・活用を含めた将来像を決定すること」を要望した。
教員らの主張
声明文を提出した駒込武教授(奥中央)らは、現棟が単なる建築物ではなく、京都大学の歴史と文化を象徴する存在だと強調。建て替えではなく、保存・活用の道を模索すべきだと訴えた。また、大学側が一方的に決定を進める姿勢は、学問の自由や民主的な運営に反すると批判した。
今後の展開
大学側は声明文を受け取ったものの、現時点で具体的な対応は示していない。寮生や教員らは今後も協議を求めていく方針で、大学の対応が注目される。



