関西電力の元役員らが原発立地自治体の元助役から多額の金品を受け取っていた問題で、関電と株主が旧経営陣6人に損害賠償を求めた訴訟の本人尋問が14日、大阪地裁で行われた。計3日間にわたった本人尋問はこの日で終了した。原告側によると、9月に双方が最終的な主張を述べたうえで結審する見通し。問題発覚から7年が経過した。
旧経営陣の証言
本人尋問は4月24日に始まり、森詳介元会長や、原子力事業本部長も務めた豊松秀己元副社長、岩根茂樹元社長ら旧経営陣6人が法廷で証言した。一連の尋問では、福井県高浜町の元助役・森山栄治氏(故人)から渡されていた金品について、原告側が受領の意図などを追及した。
第三者委員会の調査で金品を受領したと認定された豊松元社長らは、法廷で「将来返そうと預かっていただけだ」という従来の主張を繰り返した。14日には岩根元社長ら2人が出廷。岩根氏は、森山氏から渡された金品をすぐに返還しなかった理由について、「森山氏が激高し、地元を巻き込んで反原発運動をすれば原発再稼働に影響が出ると思った」と説明した。
「原発再稼働という利益のため」
岩根氏の証言によると、社長就任後の2017年に森山氏から紙袋を受け取り、秘書が金貨10枚が入っていることを確認したという。返還したのは翌年だった。岩根氏は「原発再稼働という会社の利益のためにやったことだ」と強調した。
14日に会見した原告の株主側弁護団は、一連の尋問を「不合理な説明の連続だった」と振り返り、旧経営陣の責任を問う証拠が固まっているとして、判決に向けた手応えを語った。



