造船業の石綿被害で国と建材会社を提訴、遺族が函館地裁に
造船業の石綿被害で国と建材会社を提訴 函館地裁

北海道函館市の造船所でアスベスト(石綿)を吸い込んだことによる肺疾患で2021年に死亡した男性の遺族が、国と建材メーカー「ニチアス」(東京)に計3850万円の損害賠償を求めて、2026年5月11日に函館地裁に提訴しました。

提訴の背景

訴状などによると、男性は函館市内の造船所で1942年から40年以上にわたり、内装工事を行う木工として石綿を含む資材の切断などに従事していました。2021年に悪性胸膜中皮腫のため94歳で死亡し、石綿吸入が原因として2022年に函館労働基準監督署から労災認定を受けています。

原告の主張

遺族側は、国やニチアスがアスベストの危険性を認識しながら適切な対策を怠ったと主張。特に、国が労働安全衛生法に基づく規制を十分に行わなかったことや、ニチアスが石綿含有製品の危険性を周知しなかったことが死亡につながったとしています。

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被告の立場

国側はこれまで、石綿被害に関する訴訟で「時効が成立している」などと主張してきましたが、今回の訴えに対してどのような姿勢を示すか注目されます。ニチアスは過去にも石綿訴訟で和解に応じた事例があります。

石綿被害の現状

石綿は断熱材や建材として広く使用されていましたが、その健康被害が明らかになり、現在は原則製造・使用が禁止されています。しかし、過去に暴露した人々の間で中皮腫や肺がんなどの発症が続いており、全国で同様の訴訟が相次いでいます。

今回の提訴は、造船業における石綿被害の実態を改めて浮き彫りにし、国や企業の責任を問うものとして注目されています。

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