部活バス事故「人ごとじゃない」 予算不足で安全は現場任せの実態
部活バス事故「人ごとじゃない」 予算不足で安全は現場任せ

福島県郡山市の磐越自動車道で6日、北越高校(新潟市)のソフトテニス部員20人を乗せたマイクロバスがガードレールなどに衝突し、1人が死亡する事故が発生した。学校の部活動では、大会や練習試合のために長距離移動が必要になることが多く、引率に専任の運転手を確保できる予算がある学校ばかりではない。現場の自助努力に委ねられているケースも少なくない。

事故の概要と背景

今回の事故を受け、甲子園出場経験のある近畿地方の私立高校野球部の男性部長は、「人ごとやないな、と思います」と漏らす。交通状況や天気、睡眠時間などに細心の注意を払い、部長自らが学校所有のマイクロバスを運転して試合会場に向かう。以前は卒業生らが運転することもあったが、2009年に大分県の柳ケ浦高校の野球部員らが乗車した大型バスが横転した事故を受け、学校が承認した人しか運転できない運用となった。現在、承認されているのは教員など限られた人物のみで、運転手の負担は大きい。

予算不足の実態

多くの学校では、部活動の遠征費が限られており、専任の運転手を雇う余裕はない。特に公立学校では、予算が厳しく、教員がボランティア的に運転を引き受けるケースが多い。安全面での懸念は以前から指摘されていたが、改善には至っていない。今回の事故を機に、改めて安全対策の見直しが求められている。

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現場の声と課題

部活動の引率を担当する教員からは、「運転に集中するあまり、生徒の指導がおろそかになる」「長時間運転で疲労がたまる」といった声が上がる。また、学校によっては、保護者や地域のボランティアが運転を担うこともあるが、その場合も保険や責任の所在が不明確なケースがある。専門家は、「学校だけでなく、行政や地域社会が一体となって安全な移動手段を確保する仕組みが必要」と指摘する。

求められる対策

事故を受け、文部科学省は各教育委員会に対し、部活動の移動における安全確保の徹底を通知する方針だ。具体的には、バスの点検や運転手の健康管理、休憩の確保などが挙げられる。しかし、根本的な予算不足が解消されなければ、現場の負担は変わらない。一部の自治体では、スクールバスを部活動に活用するなど、工夫を凝らしているが、全国的な広がりには至っていない。

今回の事故は、部活動の安全対策が後回しにされてきた現実を浮き彫りにした。生徒の命を守るためには、予算の確保とともに、教員や関係者の負担軽減が急務である。今後、具体的な施策が打ち出されることが期待される。

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