外国人の在留審査にかかる手数料の上限引き上げを盛り込んだ入管難民法改正案の審議が、5月半ばから参院で始まる。4月28日の衆院本会議では与党などの賛成多数で可決されたが、中道改革連合や共産党は反対した。衆院ではどのような議論が展開されたのか。
在留資格の更新や変更、6千円→最大7万円
外国人が日本に滞在するためには在留資格が必要だ。就労や留学、家族滞在といった目的ごとに29種類あり、原則として3カ月~5年おきに更新が必要となる。
その審査にかかる手数料の上限は、1981年に一律1万円と定められてから据え置かれてきた。今回の法案では①在留資格の更新や変更は10万円、②永住許可は30万円に引き上げる。
実際の額は法施行後に政令で定める。①は現行の6千円を在留期間に応じて1万~7万円へ、②は1万円を20万円へ値上げする方向だ。
手数料は昨年、いまの上限内で引き上げられたばかりだった。衆院法務委員会では、与野党から値上げの根拠をただす質問が相次いだ。
これに対し出入国在留管理庁は、81年に上限を設定した際は主に審査の「実費」を考慮しており、昨年も実費の高騰を受けて見直したと説明。一方、今回は「これまで十分に考慮されてこなかった公正な出入国在留管理に要する費用」なども勘案して引き上げることにしたと答弁した。
入管庁答弁「日本人の負担と入れ替え」
なぜいま算出方法を変えるのか。国内の在留外国人は81年時点で約80万人だったが、現在は約340万人に増加。審査業務も複雑化し、コストが膨らんでいる。入管庁は「受益者負担の原則に基づき、在留外国人自身に費用を負担してもらうことで、日本人の税負担を軽減する」と説明する。
しかし、野党からは「急激な値上げは生活に直撃する」「永住許可30万円は高すぎる」との批判が上がった。また、手数料収入の使途についても議論が及んだ。
法案は参院でさらに審議される見通しだ。政府は早期成立を目指すが、与野党の攻防が続く。



