物価高などの経済的な事情により、子どもにスポーツを続けさせることが困難な家庭が増えている。支援団体は、食事や教育と比較して「スポーツはぜいたく」と見なされやすく、相談しにくい実情があると指摘する。費用や用具を提供する活動も始まっているが、需要に追いつかず、体験格差が広がる恐れがあると訴えている。
家庭の実情と声
「下の子には、スポーツをさせてあげられないかもしれない」。小中高生3人を育てる福岡市の女性(45)はうつむきながら語る。甲子園を目指す長男の部費は月額5千円。遠征費と合わせて年間10万円を超え、用具代も別途かかる。中学でテニスに励む長女も同様の費用がかかる。
最近、次男から野球をしたいと打ち明けられた。パートで働くが、家計は厳しい。女性は「ぜいたくという意見も理解できる。でも、好きなことをさせてあげたい」と声を詰まらせる。
支援団体の現状
女性の家庭を含め、全国の困窮世帯を支援する認定NPO法人「キッズドア」(東京)には、同様の悩みが多数寄せられている。同団体は「スポーツは教育や食事に比べて優先度が低く見られ、支援を求めること自体に抵抗を感じる家庭が多い」と分析する。
支援活動として、スポーツ用具の寄付や費用補助を行う取り組みも始まっているが、必要とする人が後を絶たず、十分に行き渡っていない。同団体は「このままでは、経済的な理由でスポーツを諦める子どもが増え、体験格差がさらに広がる」と危機感を示している。



