水俣病問題をめぐり、環境省の職員が水俣病患者に対して「恵まれている」といった趣旨の発言をしたと被害者団体が指摘していた問題で、当該団体側が3日、この指摘について「個人的見解が含まれる」とし、「そのような発言があったとは認識していない」とする文書を発表した。
文書発表の経緯
文書を発表したのは、「水俣病患者連合」と「水俣病被害者獅子島の会」の二つの団体である。文書は両団体の会長連名で出されたもので、これまでの経緯を説明するとともに、発言の有無に関する認識を示した。
問題の発端は、1日に行われた石原宏高環境相と被害者団体との懇談の場で、患者連合の事務局担当者が、4月中旬にあった患者連合との協議の場で環境省職員から「水俣病患者は他の公害被害者に比べても恵まれている」といった趣旨の発言があったと指摘したことにある。石原環境相はこの指摘に対し、「確認する」と述べていた。
団体内部の見解の相違
しかし、今回の文書では、その発言があったとは認識していないと明記されている。一方で、患者連合の事務局担当者は「発言があったのは事実であり、複数の出席者が聞いている」と主張しており、団体内部でも見解が分かれている状況だ。
4月中旬の協議に参加していた患者連合の若木浩一会長補佐は、「『恵まれている』という発言はなかった。これは事務局の個人の意見である」と述べ、発言の存在を否定している。
今後の展開
石原環境相は、この問題について事実関係を確認するとしている。環境省としても、発言の有無や経緯について調査を進める方針とみられる。水俣病問題は公式確認から70年が経過した今もなお、被害者の救済や真相解明が求められており、今回の発言問題が今後の議論にどのような影響を与えるか注目される。



