米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の返還条件の一つとして求められている交通渋滞回避策について、政府内で新たな案が浮上していることが29日、関係者への取材で明らかになった。既存の高速道路である沖縄自動車道を分岐させ、移設先の名護市辺野古を含むキャンプ・シュワブ(名護市など)方面と結ぶという内容だ。
高速道路接続案の概要
この案は、普天間飛行場の返還に伴う交通影響を緩和する目的で検討されている。現在の沖縄自動車道は沖縄本島北部の西海岸側にある名護市中心部まで延びているが、東海岸に位置する辺野古へは最寄りの宜野座インターチェンジ(IC)から車で十数分かかる。部隊移駐後の渋滞悪化を防ぐため、高速道路を直接接続する必要があると判断された。
現状と課題
しかし、現時点では具体的な工事計画は存在せず、地元自治体や高速道路会社との調整が必要で、実現には多くの課題が残る。また、普天間返還に当たっては、キャンプ・シュワブと南側で隣接するキャンプ・ハンセン(金武町など)を通る「タクティカル・ビークル・ロード(TVR)」の整備も想定されている。関係者によると、返還にはTVRと高速道路の両方を整備する必要があり、2036年以降とされる返還計画に影響を及ぼす可能性もある。
渋滞対策の背景
普天間飛行場の返還は、沖縄県内の交通負荷を増大させることが懸念されている。特に、部隊が辺野古に移駐した場合、県内の移動時に渋滞が発生し、市民生活に障害が生じる恐れがある。そのため、政府は高速道路接続を含む複数の対策を検討している。
今回の案が実現すれば、辺野古周辺のアクセスが大幅に改善される一方、巨額の費用と環境影響評価が必要となる。政府は今後、関係者との協議を進め、具体化を目指す方針だ。



