女子大に厳しい時代、名古屋「御三家」一角に再編の波 金城学院大が共学化・統合を検討
女子大に厳しい時代、名古屋「御三家」に再編の波

名古屋学院大学(名古屋市熱田区)と金城学院大学(同市守山区)の統合に向けた動きが明らかになった。少子化時代の到来により、私立大学の経営環境は岐路に立たされている。文部科学省の推計によれば、2040年には大学進学者数が現在より約3割減少する見込みで、中部地方でも今回の統合計画を契機に、小・中規模校の再編が加速する可能性がある。

女子大「御三家」の苦境

「社会が大きく変化し、女子大学への風当たりが強くなってきた」。学校法人金城学院の小室尚子理事長は、名古屋学院大学の学校法人傘下に金城学院大学が入る背景についてこう説明する。統合に向けた協議を提案したのは金城学院大学側だった。同大はかつて椙山女学園大学、愛知淑徳大学と並び愛知の女子大「御三家」と称された伝統校である。しかし近年は受験生の女子大離れが進行し、愛知淑徳大学は1995年に共学化した。少子化に加え、受験生の共学志向や実学志向が背景にあるとされる。

金城学院大学は看護学部の開設に加え、2026年春にはデザイン工学部など2学部を新設するなど、新たな取り組みに活路を求めた。しかし新型コロナ禍以降は定員割れする学科が続出し、2025年5月時点の定員充足率は85%にとどまった。

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大学経営に詳しい専修大学の小藤康夫名誉教授は「私立大学の収入は学生の授業料や入学金に依存しており、学生定員を満たせなければ財務力が弱まる」と説明。「女子大学にとって不利な条件が重なっており、共学化しない限り生き残ることは難しい」と指摘する。

格差拡大と再編の動き

苦渋の決断を迫られるのは女子大学だけにとどまらない。地方の小・中規模校にも広がりを見せる。名古屋柳城女子大学(名古屋市昭和区)と京都ノートルダム女子大学(京都市)は今春から募集を停止。学生数約250人の共学である愛知文教大学(愛知県小牧市)は2027年春以降の募集停止を公表した。

一方で、受験生の大規模校志向の高まりから、中部地方でも名城大学や中京大学など大規模校は志願者数が増加傾向にある。経営体力のある大学は高騰する人件費や物価高の影響を吸収しやすく、二極化が鮮明になっている。

名古屋学院大学は経済学や商学など実学系の学部がそろい、入学者数や志願者数も好調だ。将来的に看護学や薬学など金城学院大学の学部を組み入れることで、大規模な総合大学を目指す考えだ。

少子化と大学経営の未来

両大学の説明によると、18歳人口が急速な減少期に入る前に運営を統合し、経営基盤の強化と教育研究の質の向上を図ることが最善の選択であるとして合意に達したという。国内の大学進学率は昨年過去最高の58.6%を記録し、進学者数は60万人台で推移している。しかし文部科学省は2026年を境に進学者数が減少局面に入ると予測し、2040年代には40万人台にまで減少すると見込む。

文部科学省は2026年度以降、経営悪化の兆候が見られる学校法人への指導を現行の倍の約100法人(大学名は非公表)に拡大し、学部新設時の審査基準を厳格化する。小藤名誉教授は「18歳人口が減少しているのに大学数が増えてきた矛盾が表れている。決定的な打開策はなく、私立大学にとって厳しい時代に入るだろう」と話す。

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