認知症などで判断能力が低下した人を保護するため、別の人が財産管理などを担う成年後見制度を巡り、東京都港区の清家愛区長は28日、区の権限で後見人を付けるよう申し立てる「首長申し立て」が適切に運用されたかどうか、5月中にも外部専門家らによる調査を始めると明らかにした。
「判断力があるのに後見人」と訴えるケース
港区の首長申し立てを巡っては、判断力があるにもかかわらず後見人を付けられたと訴える複数のケースが報道されている。清家区長はこの日の定例会見で、「法に基づき慎重に判断してきた」としつつ、「さまざまに報じられていることもあるので、客観的に説明する必要がある」と述べた。
第三者委ではなく外部調査を実施
清家区長は、日弁連のガイドラインに基づく第三者委員会は設けず、弁護士など専門家を交えた外部調査を実施すると表明。調査結果は今秋ごろまでに公表する予定だ。
成年後見制度と首長申し立ての仕組み
成年後見人は原則として本人や家族らの申し立てを受け、家庭裁判所が選任する。しかし、自ら申し立てることが難しく、身寄りがない場合などに限り、市区町村長が申し立てることができる。この首長申し立てでは、対象者やその家族と行政との間でトラブルになることも多く、申し立てが認められなかったり、後見が取り消されたりするケースも報じられている。
区によると、直近10年間で首長申し立てが認められなかったケースは2件。申し立てによって後見が始まった後、取り消されたケースは把握していないという。



