AIカメラ開発を偽装、上場詐欺で110億円集金 福岡・長崎県警が捜査継続
AIカメラ詐欺で110億円集金 福岡・長崎県警が捜査

AIカメラ開発を偽装した大規模詐欺事件 福岡・長崎県警が全容解明へ

AI(人工知能)を搭載したカメラの開発をうたう会社「メタモ」(東京)を巡る詐欺事件で、福岡県警と長崎県警は、上場を偽った自社株販売により約900人から約110億円を集めた疑いがあるとして、捜査を続けている。社長の被告(41歳)は既に詐欺罪で起訴されており、事件の全容解明が進められている。

地元「顔役」を悪用し、架空記事で信用誘導

捜査によると、被告は勧誘役として地元で知名度の高い人物を悪用し、被害者への接触を図った。例えば、長崎県の農業男性(78歳)は、仕事仲間を通じて同県佐世保市の医療法人役員の女性(67歳)を紹介され、投資を持ちかけられた。女性は「地元の有力者で経済界にも顔が広い」とされ、信用を得るために活用されたという。

男性に渡されたパンフレットには、米国大手企業の最高経営責任者(CEO)がメタモを「最良のパートナーであり、ライバルだ」と評するインタビュー記事が掲載されていた。さらに、実在する大手証券会社と監査法人が支援していると説明され、男性は計約3000万円を出資した。しかし、2021年後半以降、女性と連絡が取れなくなり、長崎県警に相談したことで事件が発覚した。

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事業実態なく、集金は宝飾品や高級車購入に流用

メタモの法人登記簿などによると、被告は茨城県出身で、千葉県内の大学を中退後、2017年3月に同社を設立。家庭内カメラの映像をAIで解析し、虐待や侵入を把握するシステムを安価で提供すると宣伝していたが、福岡県警の調査では事業実態が確認できなかった。証券会社や監査法人とのやり取りもなく、パンフレットの記事は虚偽であった。

出資者はウェブサイトで自身の株購入額を確認できるだけで、換金は不可能だった。被告は、メタモが近く上場し、米国大手企業が関連会社を買収するため株価が大幅上昇すると偽り、被害者2人から計800万円をだまし取ったとして、昨年12月に詐欺罪で福岡地裁に起訴された。捜査関係者によると、被告は調べに対し黙秘を続けている。

集められた金の大半は、被告がネックレスや指輪などの宝飾品(約35億円相当)、フェラーリやBMWなどの車約10台、絵画の購入費に充てられ、プライベートジェットでの旅行も繰り返していた。福岡県警は、資金の流用実態を詳細に調べている。

捜査は継続、被害拡大防止へ

この事件は、AI技術を装った投資詐欺の典型例として注目されている。福岡・長崎両県警は、被害者が少なくとも約900人に上り、集金額が約110億円に達するとみて、勧誘ネットワークや資金使途の解明を急いでいる。地元顔役の悪用や架空記事による信用操作など、巧妙な手口が浮き彫りになっており、今後の捜査でさらなる詳細が明らかになる見込みだ。

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