公共施設の整備や修繕を担う業者が見つからない入札不調が、全国の自治体で深刻な問題となっている。日本総合研究所が実施した調査によると、回答した自治体の9割以上が、過去3年間に落札者が決まらないケースを経験したと明らかになった。主な原因は、資材価格の高騰により設定した予定価格が実勢価格に見合わなくなったことや、建設業界全体での人手不足にある。
調査の概要と結果
調査は今年1月から2月にかけて、人口2万人以上の自治体を基準に抽出した557自治体を対象に行われ、155自治体から有効回答を得た。過去3年間における建設工事の入札不調(入札者がいないケース)や不落(入札額が予定価格を上回るなどして成立しないケース)の発生件数を尋ねたところ、「4件以上」が72.3%、「1~3件」が21.3%に上り、多くの自治体で複数回の入札不調が発生している実態が浮き彫りになった。
主な要因と今後の懸念
入札不調の背景には、建設資材の高騰が大きく影響している。特に、鉄鋼や木材などの主要資材の価格が上昇し、自治体が設定する予定価格が業者の見積もりを下回るケースが目立つ。また、建設業界では熟練技術者の不足が深刻化しており、人手不足も入札不調を加速させている。
さらに、中東情勢の悪化が今後の資材価格に影響を及ぼす可能性が指摘されており、自治体はさらなる入札不調の増加に備える必要がある。
自治体の対応
一部の自治体では、予定価格の見直しや入札条件の緩和など、対策を講じているが、根本的な解決には至っていない。専門家は、公共工事の計画段階から業者との連携を強化し、市場動向を反映した価格設定が重要だと指摘している。



