集団的自衛権の行使を認めた安全保障関連法(安保法制)は憲法違反であり、平和的生存権を侵害されたとして、愛知、岐阜、三重県などの住民が国に損害賠償を求めた訴訟の控訴審は15日、名古屋高裁で原告側が最終意見陳述を行い、結審した。判決は8月5日に言い渡される。
訴訟の経緯と一審判決
この訴訟は、全国22カ所の地裁・支部に提起された集団訴訟の一つである。2023年の一審・名古屋地裁判決は、「安保法制により生命・身体の安全が侵害される具体的危険が発生したとは認められない」として請求を棄却。原告側はこれを不服として控訴していた。
原告側の最終陳述
原告側弁護団は最終陳述で、米イスラエルによるイラン攻撃などに触れ、「安全保障環境の緊張の高まりと、それを理由とした集団的自衛権肯定や軍備増強、米軍との協力関係強化などで、戦争が迫る具体的危険性を切実に感じている」と訴えた。内河恵一弁護士(87)は自身の戦争体験を語った上で、「違憲立法審査権の行使という裁判官としての名誉ある使命を果たしてほしい」と結んだ。
国側の主張と同種訴訟の状況
国側は控訴棄却を求めている。同種訴訟ではこれまで全て原告側が敗訴し、最高裁でも退けられている。2023年の仙台高裁判決のみが「明白に違憲とは言えない」と憲法判断を示した。残る裁判は名古屋高裁と東京高裁となっている。



