関電金品受領問題、元会長らの尋問が始まる
関西電力の元役員らが原発立地自治体の元助役から多額の金品を受け取った問題で、関電と株主が旧経営陣6人に損害賠償を求めた訴訟の本人尋問が2026年4月24日午前、大阪地裁で始まった。この日は森詳介元会長と豊松秀己元副社長が尋問を受けた。金品受領問題をめぐり、関電の旧経営陣に対する尋問は初めてのケースとなる。
問題の発覚と経緯
関電では、4基の原発がある福井県高浜町の元助役・森山栄治氏(故人)から、当時の役員らが金品を受け取っていた問題が2019年に発覚した。第三者委員会の調査結果によると、元幹部ら計83人が、現金や商品券、金貨など総額約3億7千万円相当を受け取っていた。金品の中には、1千万円の現金や、1キロの金の延べ棒も含まれていたという。
調査では、東日本大震災後の電気料金値上げに伴ってカットされた元役員らの役員報酬の一部が、退任後に嘱託報酬の形で補塡されていたことも判明した。
刑事責任は問われず、民事訴訟へ
一連の問題で、元役員らは刑事責任を問われなかった。しかし、関電が2020年に森元会長ら旧経営陣6人に損害賠償を求めて大阪地裁に提訴し、一部の株主も現旧経営陣22人に損害賠償を求める裁判を起こした。森元会長ら旧経営陣6人については二つの裁判が併合されている。
元役員らの主張
元役員らは裁判で、受け取った金品について「預かっていただけで返還するつもりだった」と主張。退任後の嘱託報酬については「職務に見合った報酬で、損失補塡ではない」などと反論している。
今後の尋問予定
元役員らへの尋問は5月11日と14日にも予定されており、白井良平元取締役、八木誠元会長、岩根茂樹元社長、八嶋康博元取締役の計4人が出廷する予定だ。
関西電力の一連の問題をめぐる主な経緯
- 1987年:福井県高浜町の元助役(故人)が関電幹部に金品を配り始める
- 2011年:東京電力・福島第一原発事故。その後、金品提供額が急増
- 2018年1月:金沢国税局が元助役の関連会社に税務調査
- 2019年9月:金品受領問題が報道で明るみに
- 2020年3月:第三者委の調査報告書が公表。役員報酬の補塡問題が発覚
- 2020年6月:関電が元役員らを大阪地裁に提訴。同月、株主側も提訴
- 2021年11月:大阪地検特捜部が元役員9人を不起訴に。その後、検察審査会の議決を経て、全員の不起訴処分が確定
※第三者委員会の認定などから作成



