愛知県幸田町において、ふるさと納税への依存度が高まる中、その勢いに陰りが見え始めている。2025年度の寄付金見込み額は約26億円とされるが、経費を差し引いた実質的な町の取り分はその半分程度にとどまる。一般会計の予算規模が約200億円の同町にとって、町税以外の貴重な収入源であることに変わりはない。しかし、最近の物価高騰や返礼品の値上げが影響し、寄付額は減少傾向にある。
ふるさと納税の現状と課題
幸田町は2008年のふるさと納税制度開始当初から積極的に参入し、町内に製造拠点を持つ犬型ロボットや寝具、浄水器などの返礼品が人気を博してきた。2019年度には県内トップの38億円を記録したが、2020年度以降は減少が続き、2024年度には25億円を下回った。2025年度は当初見込みの20億円から持ち直したものの、担当者は「以前の水準には戻っていない」と危機感をあらわにする。
減少の背景には、高額な価格帯の返礼品が多いことがある。特に人気の寝具は2023年度に6万5千円に値上げされて以降、寄付件数が減少。町の試算では、平均所得などから算出される年間寄付額の目安は1人当たり4万~5万円程度であり、物価高騰が追い打ちをかけている。
競争激化と新たな対策
同じ寝具の製造拠点がある県内外の他4自治体もPRに力を入れ始め、寄付の奪い合いが激化。町はふるさと納税限定の安価なプラン導入や、SNS・イベントでの発祥地アピールなどに取り組むが、寄付額増加にはつながっていない。
2024年度には当初予算で見込んだ寄付額から大きく下振れし、財政調整基金を取り崩して穴埋めした。この反省から、2025年度以降は余裕を持たせた見積もりに変更し、上振れ分を基金に積み立てる運用としている。2026年度も前年度と同様の20億円を見込むが、担当者は「このまま寄付金が減り続ければ、予算編成や事業推進に影響が出かねない」と懸念する。
今後の展望
2027年からは、年収1億円以上の高所得者に対するふるさと納税の控除額が制限されることが決定しており、高額返礼品を扱う町へのさらなる影響が懸念される。寄付金増加の取り組みと同時に、財源として過度に依存しない財政運営が求められている。
5月12日告示の町長選を前に、40年近く地方交付税の不交付団体を維持してきた幸田町は、物価高騰や財政逼迫の波にどう対応すべきか、岐路に立たされている。



