地下鉄サリン事件から31年、被害者の4人に1人がPTSD症状に苦しむ
1995年3月20日に発生した地下鉄サリン事件から、今年で31年が経過した。この事件では14人が死亡し、6千人以上が重軽傷を負うという甚大な被害が生じた。しかし、時が経過しても被害者たちの苦しみは終わっていない。最新の調査によると、回答した被害者276人のうち26%が、今も心的外傷後ストレス障害(PTSD)とみられる症状を訴えていることが明らかになった。
被害者支援機構が実施した大規模アンケート調査
この調査は、オウム真理教の後継団体から賠償金の回収を続けている「オウム真理教犯罪被害者支援機構」が研究者らと共同で実施した。2025年11月から12月にかけて、被害者本人やその家族計1058人に調査票を送付し、323人から有効回答を得ている。
調査結果からは、事件から31年が経過した現在も、多くの被害者が心身に深刻な影響を受け続けている実態が浮き彫りとなった。被害者本人である276人を対象とした回答では、48%が「地下鉄や事件現場に近づくことに恐怖感がある」と答えており、45%が「事件に触れるのを避ける」と回答している。
身体的な後遺症も多数報告
さらに、目に関する後遺症を訴える被害者も多い。調査では、「目が疲れやすい」、「かすんで見えにくい」と答えた人が7割を超えるという結果が出た。これはサリンガスが視神経に与えた影響が長期にわたって続いている可能性を示唆している。
ある被害者は「いまも地下鉄に乗れない」と語り、別の被害者は「事件のことがいきなり頭に浮かんでくる」とPTSD症状について述べている。これらの証言は、単なる物理的な被害ではなく、心理的・精神的な傷が深く残っていることを如実に物語っている。
事件の記憶と向き合い続ける遺族たち
事件から31年が経過しても、被害者や遺族たちはそれぞれの方法でこの悲劇と向き合い続けている。ある遺族は「何度電話しても話し中だった夫」と当時を振り返り、別の遺族は「これで終わりにしましょう」とオウム真理教との30年間の闘いについて語っている。
この調査結果は、大規模なテロ事件がもたらす被害が、単にその時点で終わるものではなく、何十年にもわたって人々の生活に影を落とし続けることを改めて示している。社会全体として、こうした長期にわたる被害への支援体制の充実が求められている。



