カンボジア拠点の大規模詐欺組織 愛知県警が3人を逮捕
愛知県警察本部は2026年3月2日、カンボジアを拠点とした特殊詐欺に関与した疑いで、建設会社役員の木村昇汰容疑者(31)=同県刈谷市今川町=と鶴谷隆穂容疑者(31)=名古屋市東区泉3丁目=、それに無職の酒井公人容疑者(37)=同県安城市今本町4丁目=の計3人を詐欺の疑いで逮捕したと正式に発表しました。県警は現時点で3人の認否について具体的なコメントを控えています。
パイリンに存在した巨大な詐欺拠点
この詐欺グループの活動拠点は、カンボジア西部の都市パイリンに設置されていました。その敷地はドーム球場およそ2~3個分に相当する広大な面積を有し、内部には飲食店やアパート、さらにはカジノを併設したホテルまで備えられていたことが明らかになっています。この拠点には日本人約40名をはじめ、中国、韓国、インドなど多様な国籍の人々が共同生活を送っていたと伝えられています。
巧妙に仕組まれた「ニセ警官」詐欺の手口
県警の発表によれば、3人の逮捕容疑は、共犯者と共謀して昨年9月13日にパイリンから愛媛県今治市に住む無職の女性(49)に対して、警察官を装った電話をかけたというものです。電話では「マネーロンダリングに関与した疑いがあり、口座の現金を確認する必要がある」と虚偽の説明を行い、結果として現金50万円を振り込ませて詐取したとされています。
さらに調査が進む中で、酒井容疑者は知人関係にあった木村容疑者と鶴谷容疑者の紹介を受けて、昨年6月頃にカンボジアへ渡航していた事実が判明しました。現地では中国人の管理下に置かれ、いわゆる「かけ子」として詐欺電話の実務に従事していたと見られています。
国際的な広がりを見せる組織的詐欺の実態
今回の逮捕は、カンボジアを足場とした国際的な詐欺組織の一端を浮き彫りにしました。広大な施設を構え、多数の国籍を持つメンバーを抱える点から、高度に組織化され、大規模な資金を背景に活動していた可能性が指摘されています。愛知県警は引き続き、国内外の関係機関と連携しながら、組織の全容解明とさらなる逮捕者を目指して捜査を進めていく方針です。
この事件は、海外に拠点を置く詐欺グループが日本人を標的にして巧妙な手口で犯行に及ぶ実態を改めて示すものとなりました。警察当局は市民に対し、不審な電話や金銭の要求があった際には、すぐに最寄りの警察署や消費生活センターに相談するよう呼びかけています。



