大阪教育大付属池田小で児童8人が死亡した児童殺傷事件は、2026年6月8日で発生から25年を迎える。この事件は学校の安全対策を見直す契機となったが、見守りを担う人手不足など課題も残る。
事件から25年、現場の安全対策
付属池田小では現在、校舎周囲に高いフェンスを設置し、感知センサーや複数の防犯カメラを配備。正門には警備員が常駐し、教員が通学路を巡回する。校舎内には警報ブザーが低い位置にも設置され、不審者を早期発見できるようガラス張りの構造も取り入れられている。事件後、侵入事案は一度も発生していない。
全国の学校でも対策進む
文部科学省の調査では、全国の幼稚園から高校までの防犯カメラ設置率は2003年度の2割未満から2023年度には6割超に上昇。2009年には危機管理マニュアルの作成を義務化し、2019年度からは大学の教職課程で安全授業を必修化した。2005年度には警察官OBらが助言・見守りを行う「スクールガードリーダー(SGL)」制度を導入した。
SGL目標の半分以下、担い手不足
しかし、2025年度時点のSGLは約1500人と、政府目標の4000人の半分以下。大阪府摂津市では2024年度末に警察OBが引退し、後任が未定。市担当者は「担い手確保は容易でない」と話す。
新技術の活用も
名古屋市の防犯機器販売会社「NSK」は、AI搭載防犯カメラを学校向けに販売。校門前の長時間滞在や塀越えの動きを感知し、職員室に通知する。全国300校以上が導入し、担当者は「人の目と違い集中力が途切れない」と強みを語る。
専門家の見解
立正大の小宮信夫教授(犯罪学)は「事件以降、学校安全は進歩したが、教員は多忙で防犯のプロではない。警察OBの支援や、子どもたち自身の防犯知識向上が重要」と指摘する。
事件は2001年6月8日、当時37歳の元死刑囚が侵入し、児童8人死亡、児童13人と教師2人が重軽傷を負った。



