「詐欺被害者=高齢者」の常識が覆る2025年 若者に広がる孤独とスマホの影響
「詐欺被害者=高齢者」の常識が覆る2025年 若者に広がる孤独

「詐欺被害者と言えば高齢者」という従来のイメージが、2025年のデータで覆されつつある。警察庁の統計によると、2025年に警察官をかたる詐欺の被害件数は約1万件と過去最多を記録。被害者の年齢層は30代が最も多く、次いで20代が続き、両世代で全体の36%を占めた。従来の「高齢者中心」という構図が崩れ、若年層への被害拡大が顕著となっている。

高齢者詐欺防止の取り組み

川崎市の有馬老人いこいの家では、平均年齢80歳の劇団「ショーアイランド」が詐欺防止をテーマにした演劇を続けている。結成から1年、メンバーは健康マージャンの仲間だった。きっかけは大島登世さん(83)の友人が350万円をだまし取られた経験。大島さんは夫に先立たれ独り暮らしで、孤独のつらさを知るため、独居の友人を公演に招き、「次は一緒にやりましょう」と声をかけている。

社会的つながりと被害の関係

愛知県警が2020年度に実施した調査では、地元の友人が少ない高齢者ほど詐欺被害に遭う確率が高いことが判明。調査に携わった名城大教授の原田知佳さんは「気軽に相談できる社会的つながりが抑止に作用した可能性がある」と指摘する。しかし、2025年のデータはこの傾向が若年層にも及んでいることを示唆している。

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若年層に広がる孤独感

内閣府の「人々のつながりに関する基礎調査」では、20代・30代で孤独感が「常に」または「しばしば」ある人の割合が6~7.9%と最も高い。早稲田大教授の石田光規さんは、スマートフォンの普及が人間関係を選別し、SNSのブロック機能でいつでも断ち切れる不安定なものに変えたと分析。「会いたくない友人には連絡しない」という行動が、権威ある人物を名乗る詐欺師を信じ込みやすくしているという。

実際の被害事例

神奈川県出身の31歳男性は2025年、警察官をかたる詐欺で240万円をだまし取られた。「一度も疑わなかった。怪しい点はいくつもあったのに」と振り返る。仕事で長野県に独り暮らし、相談できる相手は身近にいなかった。

詐欺被害の防止には、年代を問わない社会的つながりの構築が重要だ。スマホ時代の人間関係の変化を踏まえた新たな対策が求められている。

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