法務省が28日に公表した調査結果によると、現存する建物のうち登記が行われていない物件が全体の2割以上を占めることが明らかになった。この未登記問題は、大規模災害発生時に所有者の特定が遅れ、復旧作業の妨げとなる可能性が指摘されている。また、固定資産税の課税漏れにつながる恐れもあり、同省は詳細な調査を進めるとともに、所有者への登記促進や登記官による職権での情報収集の仕組みを検討する方針だ。
調査の概要と結果
調査は昨年10月から今年2月にかけて、全国の市区町村を対象に実施された。760の自治体が建物の戸数などを報告し、約3610万棟の建物のうち約800万棟が登記未了であることが判明。この傾向は大都市圏より地方で顕著であり、回答がなかった自治体を含めると未登記建物は1000万棟を超えると推計されている。
未登記の具体例
未登記のケースは住宅全体が登記されていない場合だけでなく、増改築部分や倉庫、駐車場などが未登記のままとなっている事例も多く見られた。所有者が登記手続きを怠ったケースが一定程度含まれているとみられる。
自治体の認識
登記未了が支障をきたすかどうかの質問に対しては、約1000の自治体が回答し、その7割超にあたる769自治体が「支障がある」と回答した。これにより、未登記問題が自治体の行政運営に実際に影響を及ぼしている実態が浮き彫りとなった。
今後の対策
法務省は、今回の調査結果を踏まえ、さらに詳しい実態把握を進めるとともに、所有者に対して登記の履行を促す啓発活動を強化する。また、登記官が職権で情報を収集できる制度の導入についても検討を開始する予定だ。これにより、災害時の迅速な対応や課税の公平性確保が期待される。



