皇族数確保へ「女性皇族が残る」「養子」の2案 知っておきたい要点
皇族数確保へ「女性皇族が残る」「養子」の2案 要点解説

皇族の数の確保に向けて、これまで国会で議論が続いた二つの案について、各党派の見解が出そろい、賛成・容認が反対・慎重を上回る見通しとなった。女性皇族が結婚後も残る案や、男系男子の養子案とはどのような内容で、実現に向けてどんな懸念があるのか。知りたい要点をまとめた。

この記事が解説するポイント

  1. 女性皇族が結婚後も残る案とは
  2. 男系男子の養子案とは
  3. 高市政権の立場と、その背景は
  4. 養子の対象となる旧11宮家とは
  5. 現在の皇室の状況は
  6. 皇族側からの発言は

①女性皇族が結婚後も残る案とは

政府の有識者会議が2021年に公表した報告書では、①女性皇族が結婚後も皇族の身分を保つ②旧宮家の男系男子の子孫を養子として皇族に迎える――の2案について「具体的な制度の検討を進めていくべき」だとされた。これをもとに与野党協議が2024年5月から始まった。

皇室に関することを定めた法律、皇室典範は、女性皇族は「天皇及び皇族以外の者と婚姻したときは、皇族の身分を離れる」としている。これを法改正により、結婚後も皇室に残れるようにする①案は、与野党とも認める方向でおおむね一致している。

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しかし、配偶者と子も同様に皇族とするかどうかで意見が分かれる。自民や維新、国民民主などは、一般の男性が結婚により皇族となった例は「過去にない」などとして、配偶者と子は「皇族としない」と主張する。

背景には、父方が天皇につながる男系継承を守りたいという考えがある。一方、立憲民主や共産などは、配偶者と子も皇族とすることで皇室の安定につながるとし、対立している。

②男系男子の養子案とは

②案は、旧宮家の男系男子の子孫を養子として皇族に迎えるものだ。皇室典範では現在、養子は認められていないため、法改正が必要となる。この案は、男系継承を維持しながら皇族数を増やす方法として検討されている。

しかし、養子となる人物の選定基準や、本人の意思確認、国民の理解など課題は多い。また、旧宮家の子孫が現在どのような生活をしているかも不明で、プライバシーの問題も指摘されている。

③高市政権の立場と、その背景は

高市政権は、①案については女性皇族が結婚後も残ることに賛成だが、配偶者と子は皇族としない立場だ。②案については、男系男子の養子に慎重な姿勢を示している。

背景には、伝統的な皇室のあり方を重視する保守派の意見や、国民の理解を得るための時間が必要だという判断がある。また、皇位継承の安定性を考慮し、まずは①案で皇族数を確保し、②案は将来の課題としたい考えだ。

④養子の対象となる旧11宮家とは

旧11宮家とは、明治時代に創設され、戦後に皇籍を離脱した11の宮家を指す。具体的には、伏見宮、閑院宮、山階宮、久邇宮、賀陽宮、朝香宮、東久邇宮、梨本宮、竹田宮、北白川宮、華頂宮である。

これらの子孫は現在、一般市民として生活しており、その数は数百人に上るとされる。養子案では、これらの男系男子の子孫を対象に、本人の同意を得て皇族に迎えることが想定されている。

⑤現在の皇室の状況は

現在、皇室には天皇、皇后両陛下をはじめ、秋篠宮ご一家、常陸宮ご夫妻、三笠宮家の各ご夫妻など、計17人の皇族方がおられる。しかし、若い世代の皇族が少なく、このままでは皇族数が減少の一途をたどると懸念されている。

特に、男性皇族の数は限られており、皇位継承の安定性が課題となっている。女性皇族が結婚で皇室を離れるため、皇族数の減少に拍車がかかっている。

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⑥皇族側からの発言は

皇族方からの直接的な発言は少ないが、秋篠宮さまは過去の会見で、皇室の将来について「国民の理解を得ながら進めていくことが大切」と述べられている。また、女性皇族の結婚後の身分について、ご自身のお立場から意見を求められることもあるが、公の場で詳細に語ることは避けられている。

皇族側の意向を尊重しつつ、国会での議論が進められている。