テキーラ32杯飲ませ女性死亡 名古屋地裁が準強制性交等致死で男に懲役14年判決
名古屋地方裁判所は2026年3月13日、名古屋市中区の飲食店で女性にテキーラを大量に飲ませて泥酔させ、性交を試みた末に死亡させたとして、準強制性交等致死とわいせつ略取の罪に問われた会社役員の板谷博希被告(44)=同市港区=に対し、懲役14年の判決を言い渡しました。求刑は懲役16年でした。
「自己の性的欲求のため被害者人格を無視」 裁判長が悪質性を指摘
蛯原意裁判長は判決で、「自己の性的欲求を満たすため被害者の人格を無視し、甚だ悪質だ」と厳しく指摘しました。板谷被告は裁判員裁判で審理され、判決は13日に言い渡されました。
判決によると、板谷被告は2023年5月、中区の飲食店で当時25歳の女性に対し、アルコール度数40度のテキーラを計32杯飲ませて泥酔状態にさせました。その後、わいせつ目的で女性をタクシーに押し込み、同区のホテルに連れ込んで性交などを試みましたが、女性が重篤な状態であることに気づき断念しました。
急性アルコール中毒による低酸素脳症で女性が死亡
板谷被告の行為により、女性は急性アルコール中毒による低酸素脳症を負い、同年6月に死亡しました。公判では弁護側がわいせつの意図を否定し、「被害者とホテルに向かったのは介抱目的だった」などとして無罪を主張していましたが、裁判所はこれを退けました。
この事件は、アルコールを用いた性犯罪の深刻な実態を浮き彫りにしています。裁判長の指摘通り、自己の欲望のために他者の生命と尊厳を軽視した行為が、いかに重大な結果を招くかを示す事例となりました。
名古屋地裁の判決は、社会的にも大きな関心を集めており、同種の犯罪に対する司法の厳しい姿勢を明確にしました。被害者遺族の心情を慮りつつ、再発防止に向けた社会的な議論が求められるケースです。



