売上1.4億円のホスト逮捕 偽装恋愛で女性を食い物にする悪質手口の全貌
売上1.4億円ホスト逮捕 偽装恋愛で女性を食い物に (13.02.2026)

売上1.4億円の人気ホスト逮捕 偽装恋愛で女性を食い物にする悪質手口

マッチングアプリで女性を探し、結婚をほのめかしてホストクラブで多額の飲食をさせたホストの男が先月、警視庁保安課に逮捕された。逮捕されたのは、東京・歌舞伎町にあるホストクラブ「AXEL by ACQUA」で「エレン」として知られる竹岡拓人容疑者(27)。昨年の売り上げは約1億4000万円に上り、店でも屈指の人気を誇っていた人物だ。

「ウソは嫌い」と公言しながら…巧妙な偽装工作

竹岡容疑者はYouTube番組で、うそをついて色恋営業を仕掛けるホストを批判する姿を見せていた。「嫌いなんだよね。嘘つくのとか」と公言していたが、その実態は正反対だった。捜査関係者によると、竹岡容疑者はマッチングアプリで職業を「IT関係者」と偽り、客となる女性を探していた。

初めて会うのは喫茶店などで、ホストであることを隠して交際を申し込む。その後、ホストだと明かし「俺の全部を知って」「働いているところを見て」などと言ってホストクラブへ勧誘。別の日にもう一度店に誘い、2度の来店までの代金はいずれも3万3000円を請求していた。捜査関係者は「女性を信用させるための段階的な手法だろう」と分析する。

3万3000円から数百万円へ 感情につけ込む要求

その後、竹岡容疑者の要求は急激に膨れ上がった。「将来一緒にいるから今だけ支援して」「リスクを背負えないなら別れる」などの言葉で恋愛感情につけ込み、次の来店時に数百万円を店で使うよう求めたという。

ある女性(26)は「2人の将来の投資だ」という言葉を信じ、指示されるがまま全貯蓄の600万円を使わされた。さらに300万円を要求され、断ると「資金調達の方法は分かるから」と迫られた。女性は「借金や売春をさせられる」と感じ、だまされたことに気付いたという。

別の女性(27)も同様の手口で、消費者金融5社から借金させられた。酒が飲めないにもかかわらず、数時間の滞在で支払いは361万円に膨れ上がった。竹岡容疑者はアプリで複数のアカウントを使い分けていたとみられ、捜査関係者は「被害は氷山の一角だろう」と指摘する。

改正風営法施行後も続く悪質営業の実態

昨年6月に施行された改正風営法は、恋愛感情につけ込む色恋営業や売春の要求を禁止した。しかし、性産業などに従事する女性を支援するNPO法人「レスキュー・ハブ」の坂本新理事長は「ホストらは今、何が色恋営業に当たるのか、どこからがアウトになるのか探っている段階」と指摘する。

改正風営法は「抑止力にはなる」と期待される一方、歌舞伎町では「今もホストクラブの代金などを支払うために売春をする女性の相談は多い」という。周辺で売春目的で客待ちする女性の数も「減ったという感触はない」と話し、規制強化にもかかわらず根本的な解決には至っていない実態が浮き彫りになった。

悪質ホストによる被害が社会問題化する中、今回の事件は、巧妙化する手口と法規制の限界をあらためて示すものとなっている。捜査当局は風営法違反(客引き)の疑いで竹岡容疑者を逮捕し、詳細な手口の解明を進めている。