個人向けiPS細胞保管サービスが4月に開始、将来の治療利用を目指す
島津製作所などが出資し、再生医療関連事業を展開する「iPSポータル」(京都市)と、帝人のグループ会社「帝人リジェネット」(東京都)は、3月16日に記者会見を開き、自分の血液からiPS細胞を作製して保管する個人向けサービスを4月から開始すると発表しました。このサービスは、将来、病気になった際の治療に使用することを想定しており、公益財団法人・京都大iPS細胞研究財団の専門家らと協議しながら、高品質な細胞管理を実現します。
サービス内容と費用、将来の目標について
両社によると、サービスではあらかじめ採取した血液の細胞からiPS細胞を作製し、凍結保管します。作製には約2か月を要し、費用は1000万円台がかかります。さらに、保管費用として年間数万円が別途必要となります。2026年度は20人の受注を目指し、2030年度までには1000人分を受け入れられる体制を整え、コスト低減も図る計画です。具体的には、帝人リジェネットが山口県岩国市の岩国ファクトリーでiPS細胞を製造し、iPSポータルが保管を担当します。
関係者のコメントとiPS細胞の可能性
記者会見で、iPSポータルの中河圭二最高財務責任者(CFO)は、「自分のiPS細胞で治療することが当たり前にできるような未来を作っていきたい」と語り、サービスの社会的意義を強調しました。iPS細胞は、全身の様々な細胞に変化できる能力を持ち、再生医療への応用が期待されています。ただし、治療に活用する場合には、厚生労働省の厳格な審査を受ける必要があります。今月には、厚労省が世界で初めて、心臓病とパーキンソン病の治療に使う二つの再生医療製品の製造販売を条件・期限付きで承認しており、iPS細胞技術の進展が注目されています。
この個人向けサービスは、再生医療の個別化を促進し、将来的な健康管理の新たな選択肢として期待されています。両社は、高品質な細胞管理とコスト削減を通じて、より多くの人々にアクセス可能なサービスを目指すとしています。



