血液疾患の病診連携モデル構築へ 福島・三重県で全国展開目指す
血液疾患の病診連携モデル 福島・三重で構築、全国へ

血液疾患の病診連携モデル、福島と三重で始動 全国展開を視野に

日本血液学会と福島県医師会、三重県医師会、製薬会社のノバルティスファーマは、白血病やリンパ腫、骨髄腫といった血液疾患の分野において、病診連携の新たな体制を構築することを発表しました。血液疾患は医療技術の進歩により長期生存が可能となり、「慢性疾患化」が進んでいますが、専門医の数が患者数の増加に追いついていない現状があります。

基幹病院と地域クリニックの連携で患者負担軽減

この課題を解決するため、基幹病院での治療を終えた患者の経過観察を、地域のクリニックが担うモデルを福島県と三重県で構築し、将来的に全国へ広げていく計画です。日本血液学会の高折晃史理事長と池添隆之地方会活性化委員長(福島医科大学教授)、石塚尋朗福島県医師会長、馬岡晋三重県医師会長らが13日、東京都内で記者会見を行い、詳細を明らかにしました。

具体的には、投薬を含む治療が終了した患者を対象に、血液内科医が在籍する大学病院などの基幹医療機関が、地域のクリニックに「逆紹介」を行います。これにより、患者は住み慣れた地域で定期検査や診察を受けられるようになります。双方の医師は患者の情報を共有し、異常が発見された場合は速やかに基幹病院での治療を受けられる体制を整えます。

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専門医不足と地域格差の解消を目指す

地域の医師は、専門医らが新たに作成したフォローアップガイドを基に診療を行います。このガイドには、診察の頻度や注意すべき症状などがまとめられており、標準化されたケアを提供することを可能にします。学会によると、血液疾患の患者数は慢性疾患化に伴い増加傾向にあり、高齢化の進展により今後さらに増加が見込まれています。

高い専門性を要する血液内科医も増加しているものの、需要に追いつかず、基幹病院の専門医に負担が集中している状況です。さらに、医師の偏在も深刻な課題となっており、人口10万人当たりの血液内科医数は、最少の青森県(1.10人)と最多の京都府(5.17人)の間で約5倍の格差が生じています。

このような現状は、患者側にも遠方への通院や長い待ち時間、仕事への制約といった影響を及ぼしています。そこで、血液内科医数が全国平均(2.34人)を下回る福島県と、比較的多い三重県をモデルケースとして、病診連携体制の構築に乗り出しました。

5月にキックオフミーティングを開催

両県では、5月の大型連休明けにキックオフミーティングを開催する予定です。この取り組みを通じて、専門医不足の解消と地域医療の充実を図り、患者の生活の質向上を目指します。成功事例を全国に広げることで、血液疾患治療の新たな標準モデルとなることが期待されています。

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