東京都は24日、今年4月1日時点の保育園の待機児童数が123人となり、過去最少を記録したと発表した。前年同期の256人から半減し、2016年の調査開始以来、初めて200人を下回った。認可保育所の整備や保育士の処遇改善が進んだことが主な要因とみられる。
待機児童数減少の背景
都によると、待機児童数が減少した背景には、認可保育所の定員拡大がある。2025年度中に新たに約1万2千人の受け入れ枠を増やし、全体の定員は約40万人に達した。また、保育士の給与を平均で月額約1万円引き上げるなど、人材確保策も効果を上げている。特に、23区以外の市町村でも保育所整備が進み、地域間格差が縮小したことが全体の数字を押し下げた。
地域別の状況
待機児童の内訳をみると、23区で98人、多摩地域で25人。区部では、港区や渋谷区などでゼロを達成する一方、世田谷区や大田区では依然として十数人の待機児童が発生している。都は「地域によってばらつきがあるため、引き続ききめ細かな対応が必要」としている。
潜在的な需要と今後の課題
待機児童数は過去最少となったが、都は「潜在的な保育需要は依然として高い」と指摘する。認可外保育施設を利用する児童や、育児休業を延長している家庭など、表面的な数字に表れないニーズが存在する。また、女性の就業率上昇に伴い、今後も保育需要の増加が見込まれる。都は2026年度以降も毎年1万人以上の受け入れ枠拡大を計画しており、保育士の確保が引き続き課題となる。
保育士不足の解消に向けて
保育士不足を解消するため、都は2026年度から保育士の初任給をさらに引き上げる方針。また、潜在保育士の再就職支援や、保育補助者の活用促進など、多角的な対策を進める。国に対しても、保育士の処遇改善や保育所運営費の増額を引き続き要望していく。
今回の待機児童数減少は、長年の取り組みが実を結んだ形だが、完全解消には至っていない。都は「待機児童ゼロ」を目標に掲げ、さらなる施策の強化を図る方針だ。



