愛媛県警が導入した「嘱託セラピー犬」、犯罪被害者や遺族の心を癒やす活動が5年目に
愛媛県警が全国に先駆けて導入した「嘱託セラピー犬」が、犯罪被害者やその遺族らに寄り添い、傷ついた心を癒やす活動を続け、今春で丸5年を迎えました。県警はこの功績をたたえ、3月に感謝状を贈り、被害者支援への期待が高まっています。
セラピー犬の訓練の様子
松山市土居町の「ドッグガーデンでぐま」では、セラピー犬の訓練が行われています。飼い主の指示に犬たちが正確に従い、好物の餌を見せられても動きを止めるなど、高い練度がうかがえます。犬たちは目の前を他の犬が通り過ぎても反応しないようにしつけられ、多様な刺激に慣れる訓練を重ねています。
アニマルセラピーの効果と導入背景
動物とのふれあいには、心が安らぎ、痛みやストレスが緩和されるアニマルセラピーの効果があるとされています。愛媛県警は2021年度、犯罪被害者や遺族らの精神的ダメージを和らげ、元の暮らしに戻るサポートを目的にセラピー犬を導入しました。嘱託セラピー犬は一般家庭で飼われるペットで、犯罪被害者支援室が窓口となり、要望に応じて派遣されます。
特別な訓練と活動範囲
セラピー犬の訓練を運営する「K9Japan」の鳥飼和樹代表によると、被害者支援には通常のセラピー犬よりも多様な訓練が必要です。活動範囲が屋内から公園の散歩などに広がるため、車の音や野良猫などの外界の刺激に興奮しないようにする訓練が重要になります。現在、20頭が特別講習を受けており、月に1回以上の訓練を継続しています。
5年間の貢献と感謝状の贈呈
3月17日、県警は被害者支援に貢献したとして、嘱託セラピー犬と飼い主、K9Japanに感謝状を贈りました。表彰されたのは、トイプードルとキャバリアのミックス「チョコ」、ゴールデンレトリバー「ラブ」、トイプードル「未空」の3頭です。制度開始からの5年間で、3頭が携わった被害者支援と広報活動は延べ約80回に上ります。
飼い主たちの声
チョコの飼い主である上田恵理子さんは、被害関係者の男の子がチョコと散歩した後、家族から「久しぶりに子どもの笑顔を見た」と聞いたことを振り返り、忘れられない思い出と語ります。未空の飼い主の西尾美智子さんは、「犬は言葉を話せないけど、そばで触れて体温のぬくもりを感じたり、散歩をしたりするだけで気持ちが和らぐ。これからも心を閉ざしている人への癒やしになれたら」と話しています。
愛媛県警のこの取り組みは、犯罪被害者支援の新たな手法として注目を集めており、セラピー犬たちの活躍が今後も期待されています。



