川口市の障害者施設「きじばと」廃止に市民団体が反対 署名活動で継続を求める
埼玉県川口市が来月4月1日に廃止を予定している障害者施設「生活介護きじばと」を巡り、市民団体「障害者の生活を高める川口市民の会」が市の方針転換を求める署名活動を開始した。現在も重度の知的障害者ら21人が利用する施設で、環境変化によるストレスや移行期間の短さを懸念する利用者家族の声を受け、今月末まで署名を集め、岡村ゆり子市長に提出する方針だ。
施設廃止の背景と市の対応
同施設は昨年6月に廃止が決定され、市は「民間で充足できるサービスは民間に移す」との方針を示し、本年度内の移行完了を目指している。しかし、障害者施設の環境変化は利用者にとって大きなストレス要因となり、新しい施設に慣れるまで数年を要することも少なくない。利用者の家族からは「移行の期間が短すぎる」との声が上がり、施設の存続を強く訴えている。
市民団体の活動と具体的な要望
「障害者の生活を高める川口市民の会」は、以下の具体的な要望を市に提出する予定だ:
- 指定管理者である「川口市社会福祉事業団」による自主運営での事業継続
- 同事業団が運営する別施設への集団での移行の実現
- 移行期間の延長と市による支援の強化
現在、別施設には空きが9人分しかなく、希望した16人中7人の家族が受け入れを認められなかったという。望まない移転を迫られる可能性が高まる中、同団体は「利用者と家族、職員たちが時間をかけて築いてきた人間関係を安易に壊さないでほしい」との思いで署名活動に踏み切った。
署名活動の現状と今後の展開
署名活動は既に11日と12日の2日間で140人分が集まっており、市民の関心の高さがうかがえる。事務局を務める新井たかねさん(79)は「多くの方々の協力を得て、市に私たちの声を届けたい」と述べ、更なる署名の協力を呼びかけている。問い合わせは新井さん(電話080-5511-8955)まで受け付けている。
川口市の対応が注目される中、市民団体の活動は障害者福祉の在り方を問い直す機会ともなっている。今後、署名提出後の市の判断が利用者と家族の生活に大きな影響を与えることになる。



