広島被害者支援センターで活動員が10年で半減、相談件数は1.6倍に増加し対応危機
広島被害者支援センター 活動員半減で対応危機 相談件数は1.6倍 (16.02.2026)

広島被害者支援センターで活動員が10年で半減、相談件数は1.6倍に増加し対応危機

犯罪被害者やその家族を支える公益社団法人「広島被害者支援センター」(広島市中区)において、電話相談に対応する「活動員」の数がこの10年間で半減していることが明らかになった。一方で、センターの認知度向上などを背景に相談件数は増加傾向にあり、担当者は「このままでは十分な対応ができなくなる可能性がある」と深刻な懸念を示している。

活動員が50人から26人に減少、ボランティア確保が困難に

同センターは2004年に任意団体として設立され、2007年には広島県公安委員会から「犯罪被害者等早期援助団体」として指定された。月曜から土曜日まで電話相談を受ける「活動員」と、対面相談や警察の事情聴取、裁判傍聴の付き添いなどを担う「相談員」が配置されている。相談員は経験を積んだ活動員が就任し、両者が連携しながら被害者支援に当たっている。

現在、特に人手不足が深刻なのが活動員だ。毎年10~12人の体制を維持している相談員に対し、2015年度には50人いた活動員は、2025年度には26人にまで減少した。活動員の業務は交通費などは支給されるものの報酬はなく、「基本的にはボランティアの仕事」とセンター関係者は説明する。

平日の日中業務は別の仕事をしながら務めることが難しく、定年退職を迎えた人などが中心になりがちだ。しかし、定年後も企業などで働く高齢者が増加している現代の社会状況において、活動員が辞めてもその穴を埋めることがますます困難になっているという。

養成講座の受講料が負担に、活動員確保のハードル

活動員になるためには、同センターが隔年で開催している養成講座の受講が必要となる。講座は入門編(12講座計24時間)とアドバンス編(20講座計36時間)があり、資料代も含めた受講料はそれぞれ2万円で、費用は受講者の自己負担だ。

センターの桜井正治事務局長は受講料を有料としている理由について、「被害者支援について勉強したい人も受講は可能ですが、できるだけ活動員を目指している人に集まっていただきたいという意図があります」と説明する。しかし、この経済的負担が活動員確保の障壁の一つとなっている可能性も指摘されている。

相談件数は534件に増加、直接支援も1.25倍に

一方で、センターへの電話相談数は確実に増加している。2015年度の334件から2024年度は534件と、実に1.6倍に増加した。また、相談員が担う裁判の代理傍聴などの直接的な支援も、2024年度は約650件に上り、2015年度の1.25倍になった。

桜井事務局長は活動員の現状について、「現在は何とかやりくりできているが余裕はありません。ぜひ一人でも多くの方に関心を寄せてもらいたい」と訴える。センターでは2025年度の講座がすでに終了し、6人に活動員を委嘱する予定だが、次回の開講予定は2027年度となっており、当面の人員確保が課題となっている。

犯罪被害者支援の重要性が高まる中、ボランティアに依存する体制の限界が浮き彫りになっている。広島被害者支援センターは持続可能な支援体制の構築が急務となっており、社会全体での関心と協力が求められている。