政府は3日、中東情勢を受けたエネルギー価格高騰に対応するための2026年度補正予算案を閣議決定した。一般会計の歳出は3兆1135億円で、そのうち2.5兆円を新たに設ける「中東情勢等対応予備費」に計上し、主にガソリン補助金を継続する費用に充てる。
補正予算案の概要
補正予算案は3日午後に国会で審議入りし、5日に成立する見通しだ。中東情勢への対応とは別に、事前に使い道を限定しない一般の予備費に5135億円を計上する。政府は補正予算案の編成に先立ち、7~9月の電気・ガス料金補助を実施するために予備費から5135億円を支出することを決めており、減少した予備費を穴埋めする形となる。
このほか、自治体が利用できる重点支援地方交付金の拡充に1千億円を計上。地方での利用が多いLPガス(プロパンガス)料金の補助を想定している。
財源と財政への影響
財源は全て赤字国債を発行してまかなう。政府は、25年度の国債発行が税収増などで計画より3兆円少なくなるため、今回新たに発行しても財政悪化への懸念は限られると説明している。
しかし、新たな借金なしで政策経費をまかなえるかを示す今年度の「基礎的財政収支(プライマリーバランス=PB)」は当初予算ベースでは黒字だったが、補正予算の編成により1.7兆円の赤字となる。「責任ある積極財政」を掲げる高市早苗首相は、従来のように単年度のPB黒字化にこだわらず、複数年度のバランスを重視する考えを示している。
関連する政策の背景
中東情勢の緊迫化により、原油価格が高騰し、国内のガソリン価格や電気・ガス料金に影響が出ている。政府は国民生活への影響を緩和するため、補助金の継続を決定した。また、LPガス補助金は地方での需要が高いことから、重点支援地方交付金を通じて対応する。
今回の補正予算案は、国民の負担軽減を最優先とする政府の姿勢を示すものだが、財政規律とのバランスが問われることになる。



