衆議院選挙が小選挙区比例代表並立制で初めて実施されてから、今年で30年が経過した。朝日新聞社が実施した全国世論調査(郵送方式)において、望ましい衆議院の選挙制度について3つの選択肢から回答を求めたところ、「小選挙区中心」と答えた割合が52%に達した。次いで「一つの選挙区から複数の当選者を出す中選挙区中心」が28%、「比例代表中心」が12%という結果となった。
調査の背景と専門家の見解
この調査は、有権者の選挙制度に対する意識を探る目的で実施された。国会では、衆院議長のもとで選挙制度のあり方が議論されているが、有権者の意向は必ずしも一致していない。
河野有理氏のコメント
法政大学教授で日本政治思想史が専門の河野有理氏は、「なんとも面白い結果である」と述べた。有権者の多数は民意の入力回路として小選挙区制中心の選挙制度を好む一方で、出力される結果については3つか4つの政党からなる多党制を望んでいるという矛盾を指摘した。小選挙区制は常に必ず二大政党制をもたらすわけではないが、一般的には大政党に有利とされる。
境家史郎氏のコメント
東京大学大学院教授で政治学者の境家史郎氏は、「小選挙区制が有権者に最も人気である一方、『政党の枠組み』としては『3つか4つぐらいの政党にまとまる』が人気であるという結果は、政治学者の立場から見ると整合的でない」と指摘。小選挙区制は大政党に有利で、二大政党化していくことが予想される制度であると説明した。有権者の選好と制度の特性との間にずれがあることを示唆している。
関連する議論
この調査結果は、今後の選挙制度改革をめぐる議論に一石を投じる可能性がある。小選挙区制が支持される一方で、多党制を望む声も根強いことから、現行の並立制の見直しを含めた検討が求められる。



