過去20年で最短、37年ぶりの分科会見送り…異例ずくめの予算審議
2026年度当初予算案は13日夜に衆院本会議で採決され、衆院を通過する見通しです。2月27日の衆院予算委員会での実質審議入りから、わずか2週間あまりで決着が図られました。通常、1カ月程度の審議が衆院の通例でしたが、年度内成立を強く主張する高市早苗首相のもと、与党は衆院選で得た「数の力」を振るい、審議時間を大幅に短縮しました。
最短スケジュールの提示と野党の反発
審議の序盤となる3月2日、衆院予算委の理事会で、自民党の斎藤健・与党筆頭理事が野党側に1枚の紙を示しました。そこには3月13日の質疑終局までのスケジュールがびっしりと書かれており、これは一日でも早く衆院で可決するための「最短スケジュール」でした。通常、審議日程は与野党が合意を図りながら1~2日先まで決めていくものですが、与党が一方的に提示したこの動きに、野党は「国会が政府の下請け機関になってしまう」と猛反発しました。しかし、与党はこれを取り合わず、首相の意向を強く反映した形で進められました。
委員長職権の頻発と審議の強行
その後の予算審議は、与党が示したスケジュール通りに進みました。これを可能にしたのが、自民党の坂本哲志・予算委員長が繰り返し振るった「職権」です。予算案や法案の審議で与野党が合意に至らない場合、委員長の職権で日程や議事を進めることができますが、これは合意を前提とする国会運営では「最終手段」とされています。ところが坂本氏は、与党が提示した日程に野党が反発するとみるや、連日のように職権を使って日程を決定。これにより、審議は迅速に、しかし異例のペースで進められました。
異例ずくめの審議内容
今回の予算審議では、以下のような異例の事態が相次ぎました:
- 審議時間が過去20年で最短
- 首相出席の集中審議が過去10年で最短
- 37年ぶりに分科会の開催が見送られた
- 財務大臣が出席しない一般質疑が実施された
野党はこれらの動きを「あしき前例」と批判し、当初予算成立までの「つなぎ」として暫定予算を編成するよう求めてきました。しかし、首相は聞く耳を持たずに突き進み、与党の数の力で審議が強行される形となりました。政権幹部からは「野党質問、そんなに要らない」との発言も飛び出し、高市政権下での国会運営の硬直化が浮き彫りになっています。
全体として、2026年度予算審議は、高市首相の強力なリーダーシップと与党の圧倒的多数を背景に、異例の短期間で決着が図られようとしています。野党の反発をよそに、国会の審議機能が大きく変容する可能性も指摘されており、今後の政治動向に注目が集まっています。



