高市首相、ベトナムで新FOIP表明「自律性」「強靭性」強調も「法の支配」浸透に課題
高市首相、ベトナムで新FOIP表明「自律性」「強靭性」強調

高市早苗首相は2日、訪問先のベトナム・ハノイで演説し、改定した新たな日本の外交方針「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)」を正式に表明した。対中国を念頭に、日本が重視する東南アジア諸国から「自律性」や「強靱性」の重要性を訴えた。しかし、米国のトランプ政権が国際法を軽視する動きを見せる中、「法の支配」を掲げるFOIPの価値をどれだけ浸透させられるかは不透明な状況だ。

「自律性」「強靭性」を強調

高市首相はベトナム国家大学での演説で、「400年以上前、南シナ海から台湾海峡、そして東シナ海へと、日本人とベトナム人はダイナミックに交易をしていた。『自由な海』『開かれた海』の恩恵を共に享受してきた。私たちほど、その価値を理解しているパートナーはいない」と述べ、「進化したFOIP」を力強く宣言した。

インド洋と太平洋を結ぶ東南アジア諸国は、FOIPを考える上で「一丁目一番地」(外務省幹部)と位置づけられている。FOIPはインド太平洋を「力や威圧と無縁で、自由と法の支配、市場経済を重んじる場」とすることを目指してきた。中国の巨大経済圏構想「一帯一路」を念頭に、ルールを尊重する連帯を広げる狙いがある。

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発表の場:安倍氏はアフリカ、高市氏は東南アジア

政府関係者によると、FOIP提唱から10年を迎える今回は、東南アジアで演説する前提で調整が進められてきた。東南アジア諸国連合(ASEAN)は2019年に海域の開放性や法の支配を掲げる「インド太平洋に関するASEANアウトルック(AOIP)」を採択しており、高市首相は「FOIPと大切な『こころ』を共有している」と強調した。

中国はFOIPを「対中包囲網」と批判してきたが、日本は中国を排除するものではなく、包摂的な枠組みだと説明している。今回の改定では、経済安全保障やデジタル分野での協力強化も盛り込まれ、より実践的な内容となっている。

「法の支配」浸透への課題

しかし、米国のトランプ政権が国際法や多国間協定を軽視する姿勢を強める中、FOIPの根幹である「法の支配」の価値を地域に浸透させるのは容易ではない。ASEAN諸国は中国との経済的な結びつきが強く、日本と中国の間でバランスを取る外交を続けており、日本の呼びかけにどこまで応じるかは未知数だ。

高市首相は今後の歴訪先であるオーストラリアでも同様のメッセージを発信する予定で、日本は米国を軸としつつも、自主的な外交路線を模索している。専門家からは「日本がリーダーシップを発揮するには、具体的な支援策や投資の裏付けが必要」との指摘も出ている。

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