日本が米比合同演習「バリカタン」に初の本格参加 1400人規模の自衛隊派遣で実弾発射訓練も実施へ
フィリピン軍は4月20日、米軍と定期的に実施している大規模合同演習「バリカタン」を開始しました。この演習において、日本は2012年以降オブザーバーとして参加してきましたが、今回初めて本格的な参加を果たすことになりました。自衛隊からは約1400人規模の人員が派遣され、実弾発射訓練も実施される見通しです。
多国間協力の強化と中国の反発懸念
演習には日本以外にも、フランス、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドが参加し、最終日の5月8日までに7カ国で計1万7000人規模の動員が見込まれています。特に注目されるのは、南シナ海でも多国間演習が予定されており、フィリピンと領有権を争う中国の反発を招く可能性がある点です。
首都マニラで開かれた開幕式後の記者会見で、米海兵隊のウォートマン中将は「日本の参加は大変喜ばしい」と述べ、日米比の連携強化への期待を示しました。防衛省統合幕僚監部の樋口毅1等陸佐も別の記者会見で、バリカタン演習を通じて「参加国との相互理解を一層深めたい」と抱負を語りました。
実弾訓練と防衛相の視察調整
フィリピン軍によると、自衛隊は演習期間中、廃船を標的とした88式地対艦誘導弾の発射訓練に臨む予定です。また、小泉進次郎防衛相がこの訓練を視察する方向で調整が進められています。このような実践的な訓練の実施は、日本の防衛能力の向上と地域安全保障への貢献を象徴するものと言えるでしょう。
背景には、フィリピンと日本との間で相互往来を容易にする円滑化協定が昨年発効し、武器や弾薬の持ち込みがよりスムーズになったことがあります。この協定は、両国の防衛協力の基盤を強化し、今回の本格参加を可能にする重要な要素となりました。
今回の日本の本格参加は、単なる演習の拡大にとどまらず、インド太平洋地域における安全保障環境の変化に対応する多国間協力の深化を反映しています。各国の軍高官が腕を組んで連帯を表す姿は、新たな安全保障の枠組みの構築を暗示しているとも解釈できます。



